身体に脂肪がつきにくい油として知られる「中鎖脂肪酸」、どんな食品に多く含まれているのでしょうか?
よく知られているのはココナッツオイル。コーヒーにひとさじ入れて飲むと痩せるというダイエット方法も、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸の力を利用したものです。
中鎖脂肪酸を使ったダイエットで主流なのは、人工的に中鎖脂肪酸の純度を高めたMCTオイルを使うこと。ですが、より自然な形で食品から摂りたいという人のために、今回は中鎖脂肪酸を多く含む食品をご紹介します。
この記事では前半で、中鎖脂肪酸の3つの種類についてレクチャー。それぞれの中鎖脂肪酸が多く含まれる食品をランキング形式でリストアップします。
記事の後半では、中鎖脂肪酸摂取の注意点もご紹介。中鎖脂肪酸を効率よく摂るためにMCTオイルを活用する場合、より自然で身体に優しいものを選ぶコツもご説明します。
中鎖脂肪酸をうまく利用して、ツラくないダイエットを成功させましょう!
美容ライフスタイルアドバイザー
ヒロコ
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談を多数いただくようになったことをきっかけにフリーランスブロガーに本格転身→海外移住→3Qsにジョインし美容・ライフスタイル情報発信を担当。昨日より今日の自分をもっと好きになってもらえるとうれしいです。
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談...
Contents
中鎖脂肪酸は食品からも摂れる?
中鎖脂肪酸は、いくつかの食品から摂ることができます。特に含有量の多いことで知られているのが、ココナッツオイル(やし油)。また、アブラヤシ(パーム)の種子から摂れるパーム核油にも多く含まれています。
ほかにも、わずかですが牛乳や母乳にも含まれています。バターやクリームなどの乳製品からも少量の中鎖脂肪酸を摂ることができます。
果肉から採れるパーム油は、長鎖脂肪酸のパルミチン酸を多く含み、業務用の揚げ油や、チョコレート・アイスクリーム・カレールーなどの原料としてよく使われています。
中鎖脂肪酸を多く含むのは種から採れるパーム核油の方ですのでお間違いなく!
それでは、食品中の中鎖脂肪酸について知るうえで、まず理解しておきたい中鎖脂肪酸の種類についてご説明します。
中鎖脂肪酸の種類
脂肪酸は、酸素(O2)と水酸基(OH)に、鎖のようにいくつもの炭素(O)がつながってできています。
脂肪酸は、つながる炭素の数によって、
・炭素8〜12個…中鎖脂肪酸
・炭素14〜22個…長鎖脂肪酸
の3種類に分けられます。
そして、中鎖脂肪酸のくくりの中でも、炭素の数によってさらに
・炭素10個(C10): カプリン酸
・炭素12個(C12): ラウリン酸
の3種類に分けられます。
炭素数が少ないほど吸収分解が速く、身体に脂肪として蓄積しにくい特徴があります。
なお、中鎖脂肪酸は一般的に炭素数8~12個という定義になっていますが、時にC6・カプロン酸を含める場合やC12・ラウリン酸を長鎖脂肪酸とする場合もみられます。
この記事の続く部分では、最もポピュラーな分類にしたがって上記の3種類を中鎖脂肪酸として取り上げます。
「オクタン酸」「デカン酸」などは「IUPAC系統名」と呼ばれるもので、世界中の化学者が混乱なく物質を判別できるよう統一された名前です。どちらかというとこちらが正式名称といっても良いかもしれません。
食品成分表や、機能性表示食品などの表示には、IUPAC系統名で記載されていますね。
中鎖脂肪酸のIUPAC系統名は以下の通りです。
脂肪酸の種類 | 慣用名 | IUPAC系統名 |
炭素8個(C8) | カプリル酸 | オクタン酸 |
炭素10個(C10) | カプリン酸 | デカン酸 |
炭素12個(C12) | ラウリン酸 | ドデカン酸 |
それではいよいよ、実際に中鎖脂肪酸を多く含む食品をご紹介していきます。
中鎖脂肪酸が多く含まれる食品総合ランキング
まず中鎖脂肪酸C8~12が総合的に多く含まれる食品を10個取り上げます。上位にはココナッツオイルやパーム核油、ココナッツ関係が多くランクインしています。
意外なことにショートニングやコーヒークリーマーなども上位に入っています。植物性脂肪由来のものとあるので、検査対象となった製品ではココナッツオイルやパーム核油が原料の一部に含まれていた可能性があります。
つまり、同じショートニングやコーヒーホワイトナーでも、ヒマワリ油や乳製品などから作られた製品の場合は、中鎖脂肪酸の含有は期待できません。またトランス脂肪酸の問題もあるため常用には要注意です。
中鎖脂肪酸含有量の総合ランキングは次の通りです。
順位 | 食品名 | 100g当たり含有量(mg) |
1位 | 油脂類/(植物油脂類)/やし油 | 56200.0 |
2位 | 種実類/ココナッツ/ココナッツパウダー | 36700.0 |
3位 | 油脂類/(植物油脂類)/パーム核油 | 51300.0 |
4位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/コーヒーホワイトナー/粉末状/植物性脂肪 | 15800.0 |
5位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/クリーム/植物性脂肪 | 11400.0 |
6位 | 果実類/ココナッツ/ココナッツミルク | 8000.0 |
7位 | 油脂類/(その他)/ショートニング/業務用/製菓 | 7280.0 |
8位 | 油脂類/(バター類)/無発酵バター/食塩不使用バター | 3090.0 |
9位 | 油脂類/(バター類)/発酵バター/有塩バター | 3080.0 |
10位 | 油脂類/(バター類)/無発酵バター/有塩バター | 3060.0 |
ここからは、中鎖脂肪酸を3種類に分けて、それぞれに含有量の多い食品をご紹介します。
カプリル酸が多く含まれる食品ランキング
中鎖脂肪酸の中でも炭素数が小さく、吸収分解がとても速い脂肪酸です。
ケトン体を作り出しやすいので、低糖質ダイエットしている人は、優先的にカプリル酸(オクタン酸)の摂取を意識すると良いでしょう。
カプリル酸(オクタン酸)の含有量ランキングは次の通りです。
順位 | 食品名 | 100g当たり含有量(mg) |
1位 | 油脂類/(植物油脂類)/やし油 | 7600.0 |
2位 | 種実類/ココナッツ/ココナッツパウダー | 5000.0 |
3位 | 油脂類/(植物油脂類)/パーム核油 | 3900.0 |
4位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/コーヒーホワイトナー/粉末状/植物性脂肪 | 1500.0 |
5位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/クリーム/植物性脂肪 | 1400.0 |
6位 | 果実類/ココナッツ/ココナッツミルク | 1100.0 |
7位 | 油脂類/(バター類)/無発酵バター/食塩不使用バター | 990.0 |
8位 | 油脂類/(バター類)/発酵バター/有塩バター | 980.0 |
9位 | 油脂類/(バター類)/無発酵バター/有塩バター | 960.0 |
10位 | 油脂類/(その他)/ショートニング/業務用/製菓 | 680.0 |
カプリン酸が多く含まれる食品ランキング
カプリル酸ほどではないものの、素早い吸収分解でエネルギーとなるケトン体を作り、脂肪を溜めずに燃やします。
カプリン酸(デカン酸)の含有量ランキングは次の通りです。
順位 | 食品名 | 100g当たり含有量(mg) |
1位 | 油脂類/(植物油脂類)/やし油 | 5600.0 |
2位 | 種実類/ココナッツ/ココナッツパウダー | 3700.0 |
3位 | 油脂類/(植物油脂類)/パーム核油 | 3400.0 |
4位 | 油脂類/(バター類)/発酵バター/有塩バター | 2100.0 |
5位 | 油脂類/(バター類)/無発酵バター/有塩バター | 2100.0 |
6位 | 油脂類/(バター類)/無発酵バター/食塩不使用バター | 2100.0 |
7位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(チーズ類)/ナチュラルチーズ/やぎ | 1500.0 |
8位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/コーヒーホワイトナー/粉末状/植物性脂肪 | 1300.0 |
9位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/ホイップクリーム/乳脂肪 | 1100.0 |
10位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/クリーム/乳脂肪 | 1100.0 |
ラウリン酸が多く含まれる食品ランキング
炭素数が多く、中鎖脂肪酸の中では吸収分解はゆっくりめですが、ケトン体を少量ずつ持続的に作ることができます。免疫を高める作用も期待されています。
順位 | 食品名 | 100g当たり含有量(mg) |
1位 | 油脂類/(植物油脂類)/パーム核油 | 45000.0 |
2位 | 油脂類/(植物油脂類)/やし油 | 43000.0 |
3位 | 種実類/ココナッツ/ココナッツパウダー | 28000.0 |
4位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/コーヒーホワイトナー/粉末状/植物性脂肪 | 13000.0 |
5位 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(クリーム類)/クリーム/植物性脂肪 | 8900.0 |
6位 | 果実類/ココナッツ/ココナッツミルク | 6900.0 |
7位 | 油脂類/(その他)/ショートニング/業務用/製菓 | 6600.0 |
8位 | 油脂類/(マーガリン類)/ファットスプレッド | 4900.0 |
9位 | 油脂類/(マーガリン類)/マーガリン/家庭用/有塩 | 3600.0 |
10位 | 油脂類/(マーガリン類)/マーガリン/業務用/有塩 | 3600.0 |
中鎖脂肪酸が摂れる食品が分かったら、さっそく今日からたくさん食べたくなりますね。でも、注意していただきたいことがあります。続く部分でご説明します。
中鎖脂肪酸を摂取する際の注意点
中鎖脂肪酸を摂取する際に注意したい2つのポイントをご紹介します。
過剰摂取に注意する
中鎖脂肪酸を摂取する際は、摂りすぎに注意しましょう。身体に良い、脂肪に変わりにくいといっても、油であることに変わりありません。油は1g当たり9kcalのエネルギーがあります。
そのため、使いすぎると普通にカロリーオーバーになり、逆に太ってしまう可能性があります。なんにでもプラスするのではなく、1日当たりの中鎖脂肪酸摂取量を把握しましょう。
効果が期待できる中鎖脂肪酸の目安量は、
1日当たり=体重(kg)÷2(g)
とされています。
過剰摂取にならないよう、これまで使っていたオイルの代わりに使うなどの工夫をしましょう。なるべく朝など1日の早い時間に摂り、その日のうちに燃やしてしまえるようにするのもおすすめです。
少量から始めて慣らす
中鎖脂肪酸をいきなりたくさん摂ると、お腹を下すなど体調を崩す原因になります。少量から始めて、徐々に慣らしていきましょう。
私も、ココナッツオイル大さじ1杯をシェイクに入れて一気飲みしたところ、1日中お腹が張って苦しんだことがあります。
初めてなら、小さじ1あるいはそれ以下から始めましょう。体調を見ながら、徐々に増やしていきます。
もし大幅に体調を崩した場合は、いったん中鎖脂肪酸を含む食品をやめ、調子が良くなったらごく少量から再開すると良いです。
続いて、中鎖脂肪酸を食品から摂るにはどれくらい食べればよいのか考えてみましょう。
中鎖脂肪酸を摂るのに必要な食品の量は?
十分な量の中鎖脂肪酸を摂るには、中鎖脂肪酸を含む食品をどれくらい食べればよいでしょうか。
中鎖脂肪酸を最も多く含むココナッツオイルでも、成分のすべてが中鎖脂肪酸なのではありません。長鎖脂肪酸などほかの成分も含まれており、中鎖脂肪酸は全体の6割ほどです。
1回あたり5-15gとすると、対応する摂取量は次のようになります。
食品 | 中鎖脂肪酸5g | 中鎖脂肪酸15g |
ココナッツオイル | 8.9g(小さじ2杯強) | 26.7g (大さじ2杯強) |
パーム核油 | 9.7g(約小さじ2.5杯) | 29.2g(約大さじ2+小さじ1) |
ココナッツパウダー | 13.6g(約大さじ1.5杯) | 40.8g(約1/2カップ) |
コーヒーホワイトナー | 31.64g(約小さじ10杯) | 94.9g(約大さじ10杯) |
ココナッツミルク | 62.5g (1/4カップ強) | 187.5g(1カップ弱) |
無塩バター | 161.8g | 485.4g(業務用サイズ!) |
脂肪酸なので当然ですが、オイリーな食品がほとんどなので、継続的に大量に摂るのはなかなか大変です。
・ココナッツミルクを牛乳の代わりにデザートや料理、ドリンクに使う
などの工夫が必要です。
ココナッツミルクは甘いものだけでなく、炒め物や煮込み、カレーにも使えます。南国では日々のおかずに使われていて、日本人の口にも合いますよ。中鎖脂肪酸の多い食事を目指す方はぜひ試してみてください。
次の項目で、ココナッツオイルやココナッツパウダー、ココナッツミルクを手軽にたっぷり取り入れられるレシピをご紹介します。
① バージンココナッツオイル
低温圧搾による、無精製のココナッツオイル。中鎖脂肪酸が豊富に含まれているうえ、ビタミンE、ビタミンKなどの栄養素も残っている。
② RBD(精製)ココナッツオイル
「Refined(精製)」「Bleached(漂白)」「Deodorized(脱臭)」の略で、高温で圧搾し精製されたココナッツオイル。
高温で処理し安定化しているので、脂肪酸のほとんどが長鎖脂肪酸に還元されてしまっていると考えられます。そのため、他の油と同じように体脂肪になりやすいです。
このように、同じココナッツオイルでも製法が違うと効果も真逆に。中鎖脂肪酸を摂りたいなら、必ず①のバージンココナッツオイルを選びましょう。
RBDココナッツオイルの方が安価でたくさん出回っています。「バージンココナッツオイル」「低温圧搾・無精製」などと明記していないものはすべてRBDだと思ってください。
中鎖脂肪酸を多く含む食品のレシピ
中鎖脂肪酸を多く含む食品ランキングの上位に来る、ココナッツオイルやココナッツパウダー、ココナッツミルクなどは、日本人にとってはなじみ薄い感じがします。
手軽に取り入れられるレシピを2つご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
鶏肉とたっぷりきのこのココナッツミルク煮
白いご飯にもすごく合います。私は東南アジア風にちょっと唐辛子を加えるのも好きです。
鶏モモ肉 2枚
シメジ、マイタケ、エリンギ 各1株
タマネギ、赤パプリカ 各1/4個
すりおろしにんにく 小さじ1
オリーブオイル 大さじ1
塩コショウ 適量
★ココナッツミルク 1缶400g
★鶏がらスープの素 大さじ1
★酒 大さじ2
★ナンプラー 大さじ2
【作り方】
① 鶏モモ肉を一口大に切ってポリ袋に入れ、すりおろしにんにくと塩コショウを加えて揉み込む。タマネギと赤パプリカは5ミリ幅に切り、キノコ類は石づきを取って適当な大きさに切る。
② フライパンにオリーブオイルを引いて強火で熱し、①の鶏肉を皮目からパリッと焼く。最初は触らず、皮から油が出てきたら1度だけ裏返す。両面焼けたら皿にとる。
③ ②のフライパンをそのまま使い、タマネギと赤パプリカを炒める。しんなりしたらキノコ類を加え、鶏もも肉を戻す。★を加えて強めの中火で加熱する。アクをとり、ひと煮立ちしたらふたを閉めて弱火で10分煮込む。好みでパクチーを添える。
-中鎖脂肪酸含有量(概算):32,000mg(32g)
おからとココナッツのボールクッキー
中鎖脂肪酸含有量1位と2位のココナッツオイルとココナッツパウダーをダブルで使ったお菓子です。おからパウダーを使っているので、糖質控えめで安心して食べられますよ。
無塩バター 30g
ココナッツオイル 50cc
砂糖 40g
薄力粉 80g
おからパウダー 50g
ココナッツパウダー(ココナッツファイン) 20g
牛乳 大さじ1と1/2
粉砂糖 適量
【作り方】
① オーブンを170℃に予熱する。バターを常温に戻す。
② ボウルにバターとココナッツオイルを入れ、クリーム状になるまで練ってから、砂糖を加え混ぜる。
③ 薄力粉をふるって加え、おからパウダーとココナッツパウダーを加えてゴムベラで切るように混ぜる。
④ 牛乳を加え、生地がポロポロとするまで混ぜる。
⑤ 記事を大さじ1ずつすくって手で丸める。崩れやすいので力を入れてギュッと丸めましょう。
⑥ 天板にクッキングシートを敷いて⑤を載せ、170℃に予熱したオーブンで20分ほど約。焼きたては崩れやすいのでそのまま天板の上で冷ます。覚めたら粉砂糖をまぶす。
-中鎖脂肪酸含有量(概算):36,367mg(36.4g)
工夫すれば中鎖脂肪酸を食品から摂れるとはいえ、毎日となるとハードルが高いと感じる人も多いでしょう。もっと効率よく中鎖脂肪酸を摂るために、MCTオイルの助けを借りるのも一つの方法です。
続く部分では、MCTオイルを使うメリットや、MCTオイルの中でもより自然で健康的な製品を選ぶ方法をご紹介します。
効率よく摂るならMCTオイルを利用しよう
中鎖脂肪酸を食品から摂ることに加え、中鎖脂肪酸の摂取に特化した「MCTオイル」を利用するのも、効率的でおすすめの方法。
MCTオイルはココナッツオイルやパーム核油などとどこが違うのか、どんなメリットがあるのかご説明します。また、なるべく自然な形で中鎖脂肪酸を取り入れたいという方も安心して使えるMCTオイルの選び方をご紹介します。
MCTオイルの助けを借りるメリット
MCTオイルとは、MCT(Medium Chain Triglyceride)つまり中鎖脂肪酸だけを取り出してオイルにしたもののこと。
原料であるココナッツオイルやパーム核油には中鎖脂肪酸が6割ほどしか含まれていませんが、これを精製して100%にしたのがMCTオイルというわけです。
例えば中鎖脂肪酸を5g摂るためにココナッツオイルを8.9g摂るとします。中鎖脂肪酸以外の脂肪が3.9g入っていますので、余分なカロリーや体脂肪になりやすい脂肪分も摂取してしまうことになります。
一方MCTオイルなら、中鎖脂肪酸5g摂るのにMCTオイル5gの摂取で済みます。
また、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸の内訳はざっくりいうと、カプリル酸3:カプリン酸2:ラウリン酸17くらいで、炭素数の多いラウリン酸の割合が圧倒的に高いです。
ほかのオイルや食品も同様に、カプリル酸やカプリン酸よりも圧倒的にラウリン酸が多いです。
MCTオイルでは、カプリル酸やカプリン酸がメインのものも選ぶことができます。そのため、目的に沿ったタイプの中鎖脂肪酸を効率よく取り入れることが可能です。
自然で健康的なMCTオイルの選び方
MCTオイルは人工的な感じがして気が進まない、なるべく自然な形で取り入れたい、という方でも安心して使える製品の選び方をお伝えします。
以下のポイントに注意して、より安心して使える高品質なMCTオイルを選びましょう。
・化学溶剤を使わない製法のものを選ぶ
MCTオイルには、原材料を蒸留する「ナチュラル製法」で作られたものと、より安価に大量生産できる化学溶剤使用のものがあります。
ナチュラル製法で抽出されたものはパッケージやウェブサイトに明記されています。そうでないものは化学的に抽出されたと考えてよいでしょう。
・認証や規格を参考にして選ぶ
製造過程の品質が基準に達していることを証明する「ISO9001」「GMP認証」「HACCP認証」を参考にするのもおすすめ。
また農薬や化学物質が使われていないものを探している方は「有機JAS規格」「USDAオーガニック」などのオーガニック認証をチェックしましょう。
炭素の数に注目して選ぶ
中鎖脂肪酸の中でも、C8(カプリル酸)の分解が最も速く、その次がC10(カプリン酸)です。パッケージに、これらの数値や名称が記載されていますのでチェックしましょう。
ダイエット効果という意味では「C8のみ配合」というものがベストですが、値段が高いうえ、化学的に処理して成分を取り出した、より人工的な製品である可能性が高いです。
バランスの取れた現実的な方法としては、 C8+C10のブレンドで、C8の比率が5割以上のものを選ぶのがおすすめです。
加工・充填が日本国内で行われているものを選ぶ
MCTオイルの原料となるココナッツやパーム核は、フィリピンやインドネシアなど海外産がほとんど。原料の原産地より、加工・充填をどこで行っているかチェックを。
日本で加工・充填する場合は、日本の厳しい基準に合った原料だけが輸入されます。また、工場や工程も国内の品質基準で管理されるため安心です。
中鎖脂肪酸を摂れる食品で「食べるダイエット」!
中鎖脂肪酸を多く含むのは、ココナッツオイル(やし油)やパーム核油、ココナッツミルクやパウダーなどのココナッツ製品です。また、ココナッツオイルなどが原料と考えられる植物性のコーヒーホワイトナーやショートニングにも含有されています。
さらに、含有量は少ないものの、バターなどの乳製品や母乳にも含まれています。
これらの食品を意識して摂るとともに、必要に応じて中鎖脂肪酸の純度を高めたMCTオイルの助けを借りるのもおすすめです。ただし過剰摂取に注意し、少量から少しずつ始めるようにしましょう。
中鎖脂肪酸を味方につければ、少しずつ痩せ体質への変化を実感できるはず。溜めずに燃やす、代謝の良いカラダになって、なりたい自分に近づきましょう!