食欲旺盛で、人一倍たくさん食べないと満足できないあなたは、痩せたくてもなかなかツライはず。少食で、少し食べたらお腹いっぱいになる人がうらやましい!胃を小さくする方法はないかな?と思っていませんか?
大食いの人は胃が大きい、少食の人は胃が小さいというイメージがありますが、実際には内臓としての胃の大小はみんなほぼ同じなんです。
たしかに、文字通り胃を手術で小さくすることも、肥満治療の現場では行われています。
でも、胃を小さくしたい=少量で満足できる身体になりたいということであれば、もっと簡単にできる方法があります!適量だけ食べる身体に一度変われば、あとはツライ思いをせずにスルスル痩せて、体形を維持できますよ。
この記事では、適量で満足できるよう脳からアプローチする仕組みと方法をレクチャー。今日から始められることも多いので、ぜひ試してみてください!
記事の最後では、より深刻な状況にある人が受ける医療として、胃を小さくする手術についても説明しています。
食欲にコントロールされる人生は今日で終わり。明日からは食欲をがっちりコントロールして、満足しながら痩せられる生活を手に入れましょう!
美容ライフスタイルアドバイザー
ヒロコ
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談を多数いただくようになったことをきっかけにフリーランスブロガーに本格転身→海外移住→3Qsにジョインし美容・ライフスタイル情報発信を担当。昨日より今日の自分をもっと好きになってもらえるとうれしいです。
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談...
Contents
「胃を小さくする」カギは脳にあり!
実は、太っている人も痩せている人も、大食いの人も少食の人も、成人であれば胃の大きさはほとんど同じです。
どんな人でも胃の容量は、何も入っていない時で50mlほどですが、食べ物は2Lくらいまで入ります。胃は伸び縮みするので、たくさん食べ物が入ると伸び、食べ物を腸へ送り出してしまうと元のサイズに戻ります。
では、なぜ少し食べただけでお腹いっぱいになってしまう人と、人一倍たくさん食べられる人がいるのでしょうか?
どれくらい早く満腹になるかは、胃のサイズによるのではなく、脳にある満腹中枢が決めています。満腹中枢は、胃の膨れぐあいや血糖値などさまざまな要素から満腹を判断して「もうごちそうさま」という指令を出します。
重度の肥満の治療として、物理的に胃を小さくする手術はありますが、食べる量を少し減らしてボディラインをすっきりさせたいという場合に行うものではありません(この方法については、後の部分で少しご説明します) 。
それよりも、満腹中枢をしっかりと働かせて「より早く満腹感を感じる」ようにすることで「胃を小さくする」方法が簡単です。
満腹中枢の働きは、普段の食生活により形作られます。人によって食べる量が違うのは、これまでの食習慣が違うためなんです。
過食が続くと脳がその量に慣れてしまい、満腹と判断する水準が徐々に上がっていきます。一方、食べる量を控えていれば、脳は少量でも満腹と判断するようになります。
つまり、昔から言われる通り「腹八分目」を守っていれば「胃が大きくなっていく」心配はありません。
とはいえ、それができればそもそも苦労しませんよね。続く部分では、腹八分目を守るコツを含め、脳の満腹中枢を上手にだまして「胃を小さくする」方法をご紹介します!
胃拡張は食物を腸へ運ぶ機能が低下して、食物が胃に残り続けたために、胃が大きくなってしまう病気です。食べすぎによって胃が引き伸ばされることではありません。
また、胃下垂は痩せている人に起こるもので、内臓を支える脂肪や筋肉が足りず胃の位置が下がってしまいます。その結果、栄養が吸収されにくくなり、胃炎も起こしやすくなります。
こちらも、食べすぎて胃が広がったとか、大食いなのに太らないといった現象とは無関係です。
簡単に「胃を小さくする」10の方法
脳の満腹中枢にアプローチして、食べる量を減らす=「胃を小さくする」方法を10個ご紹介します。いずれも簡単でお金もかからないことばかり。ぜひ1つでも今日から始めてみましょう。
ゆっくりよく噛んで食べよう
満腹中枢をしっかり働かせて、適量で満足できるようにするには、ゆっくりよく噛んで食べることが一番大切です。
ゆっくりよく噛んで食べるとは、
・一口30回ほど噛んで食べる
ことを指します。
これには医学的な根拠があります。
歯根や咬筋(噛むための筋肉)にはセンサーがついています。よく噛むと、その信号が脳に伝わり「神経ヒスタミン」という物質が放出されます。この物質が満腹中枢をオンにするのです。
この神経ヒスタミンによる刺激は、血糖値など満腹中枢を刺激する他の仕組みよりもいち早く届くため、満腹感を早く得るのに一番効果的です。
一般的に、満腹中枢が反応するのに15分ほどかかると言われています。つまり、食事を15分以内に終えてしまうと、まだ何となく物足りない、満腹感のない状態になりやすいです。
コース料理や懐石料理が、一品一品は少ないのに、最後にはお腹いっぱいになってしまうのも、時間をかけて食べているためです。
食事を多忙なスケジュールのすき間に詰め込むのではなく、それなりの重要性をもって十分な時間を確保することが大切です。
一口30回噛むというのは、やってみるとわかりますが結構大変です。流し込んでしまう癖のある人は、特に難しく感じるでしょう。食事のときはあえて飲み物を摂らないというのも一つの方法です。
30回噛むのが大変で食事が楽しめないという方は、初めの2~3口だけでも30回噛むようにしてみましょう。それだけでも、満腹中枢の立ち上がりを強力にサポートでき、食事量がグッと減りますよ。
食べる順番を意識して食べよう
満腹中枢を働かせるには、何品かある中で正しい順番で食べすすめることも大切です。
副菜(野菜・キノコ・海藻)→主菜(肉・魚)→主食(ご飯・パン・麺)の順番で食べましょう。
食物繊維の多いものを最初に食べると、お腹の中で水分を吸って膨れます。胃が膨れたことが脳に伝わり、満腹中枢が働きます。
食物繊維が多いものはよく噛む必要があるので、その角度からも満腹中枢を最初にしっかり刺激できます。
主食を最後にすることで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。ご飯のおかわりが止まらないといった事態も避けやすいでしょう。
満腹になるまで食べ続けない工夫をしよう
毎食満腹まで食べていると、満腹中枢がマヒして少しずつ食事量が増えていきます。逆に、腹八分目までと決めておけば、脳はそこで満腹だと覚えてくれます。
お腹パンパンになるまで食べ続ける習慣は今すぐやめましょう!
ひとつの方法は、食べる量をはじめから決めておくこと。大皿に盛って取り分けるよりも、自分の一食分をワンプレートに盛るか、めいめいの小皿や小鉢に盛り付けるほうがよいです。
食べながらその都度追加するスタイルでは、自分の食べた量が把握できません。知らない間にかなりの量を食べてしまいます。
はじめから決まった分を、よく噛んで丁寧に食べましょう。自分の分を食べ終わったら、箸をおいてごちそうさま。脳も「一人前食べた。食事はこれで終わり」と納得します。
腹持ちの良い食べ物を選ぼう
腹持ちの良い食物を選ぶことで、少ない量でも満腹感が得やすくなります。
例えば
・そばやナッツなど消化に時間がかかるもの
などがおすすめです。
一般的に、食物繊維が多く含まれる食品は腹持ちが良いです。どんな食品が食物繊維豊富なのか、不足しがちな食物繊維をどのようにうまく摂るかについては、こちらの記事を参考にしてください。
血糖値の乱高下を招く食物を避けよう
適量で満足できる身体にするには、血糖値の乱高下を招く食物を避けることも大切。
何かを食べて、急激に血糖値が上がると、糖を処理して脂肪に変え血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
そのため、糖は脂肪として蓄積しやすくなります。
それだけでなく、大量のインスリンによって今度は急激に血糖値が下がります。すると「さっき食べたばかりなのにまた食べたい」「お腹いっぱいのはずなのに甘いものが欲しい」など、食欲のコントロールが効きにくくなります。
ですから、血糖値を急激に上げない食品を選んで食べることが大切です。
食品がどれくらい血糖値を上げやすいかは「GI値」という値で表されます。これはカロリーとは別で、カロリーは高くてもGI値が低いものやその逆のケースもあります。
普段食べているもの、特に糖質である主食を、GI値が低い食品に置き換えることを意識してみましょう。例えば、
・うどん(GI値62)→そば(GI値46)
・食パン(GI値95)→ライ麦パン(GI値55)
といった形で無理なくGI値の低いものを取り入れられます。これだけで食欲のコントロールがずいぶんラクになりますよ。よく噛むことも忘れずに。
イヌリンなどの食物繊維を食前または食事と一緒に摂ることも、血糖値の上昇を緩やかにするのに効果的です。
ビタミンやミネラルをきちんと摂ろう
満腹中枢をしっかり働かせるには、ビタミンやミネラルなどの栄養素をきちんと摂ることが大切。
ビタミンやミネラルが足りないと、脳は「栄養が足りない」と判断しもっと食べる方向へ働きかけます。
マルチビタミンやミネラルのサプリも良いですが、基本はバランスの取れた食事をまず心がけましょう。主食・主菜・副菜のそろった和定食のような食事をイメージすると良いです。
胃を休ませる時間を作ろう
胃を空にして休ませる時間を作ってあげることも大切です。ひっきりなしに間食して、胃に絶えず何かが入っている状態だと、満腹中枢との連携が悪くなります。
1日のうち食事しない時間を最低12時間作ることが勧められています。例えば、朝8時に朝食をとるなら、前の日の8時以降は何も食べないようにしましょう。
これを発展させたのが、今多くの人が試している16時間ファスティング(断食)。1日のうち8時間だけ食べても良いとし、残りの16時間は水分のみで過ごすというものです。
胃腸を休めて飽食で上ぶれした満腹ポイントを正常に戻すことができるため、食べ癖のついてしまっている人は週一日でも行ってみると良いでしょう。
良質の睡眠を十分にとろう
適量で満足できる身体になるには、良質の睡眠を十分にとることも不可欠。食欲と睡眠に関係があるの?と思うかもしれませんが、実はとても深い関係があります。
食欲をコントロールする要素は多くありますが、中でも食欲を抑える「レプチン」と食欲を増進する「グレリン」という2つのホルモンが重要な役割を果たしています。
良い睡眠が十分にとれていると、レプチンが多く分泌され、グレリンの分泌は抑えられます。睡眠が不足している場合にはその逆のことが起こり、食欲のコントロールが難しくなります。
これは医学的にも証明されており、
という報告があります。
7〜8時間程度の睡眠時間を確保し、朝起きたらまずカーテンを開けて朝日をしっかり浴びるようにしましょう。
そうすることで脳内にセロトニンが多く分泌され、14時間後に自然な眠気が起こるように体内時計がセットされます。
また、就寝の2~3時間前からの過ごし方に気を付けることで、眠りの質を上げられます。以下のポイントを心がけましょう。
・スマホやテレビは就寝前30分から控える
・シャワーより、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって入浴する
・食事は就寝3時間前までに済ませておく
・寝る直前にお酒を飲まない
水分をこまめに補給しよう
満腹中枢の誤作動を防ぐため、しっかり水分補給をすることも大切。
水分が足りないと、空腹感のような感覚が起こることがあります。脳が何かを口にするように促しているというわけです。口さみしくて何か食べずにいられないという人は、水やお茶をこまめに飲むようにしてみましょう。
水分補給といっても、ジュースやスポーツドリンクなど糖分の多いものは、血糖値を急激に上げるためおすすめできません。
私のおすすめはルイボスティー。ノンシュガー、ノンカフェインで、ちょっと複雑な香りがするので満足感があります。熱いのを50℃くらいに冷まして、ゴクゴク飲んでいます。
姿勢や服装も意識しよう
最後に、姿勢や服装を意識することも、食べすぎないカラダ作りに役立ちます。
猫背の人や、首とお腹が前に出るスウェイバックと呼ばれる姿勢の人は、内臓が圧迫されて血行が悪くなり、正しい満腹感を把握しにくいです。
スウェイバック姿勢の人は体幹の筋肉を使っていないので、座っているときもお尻が前にずれたラクな姿勢をとっていることが多いです。
心当たりのある人は、特に食べているとき意識して背筋を伸ばすようにしましょう。内臓が正しい位置に収まり、脳が胃の状態を正しく評価できます。
また、ゆるゆるのワンピースやウエストゴムの服をいつも着て食事していませんか。バイキングに行くとき、たくさん食べられるようにとそういう服装をしますよね。「胃を小さく」したいときは逆のことをすればよいです。
家で食事するときでも、ジーパンやタイトスカートなどウエストが伸びない服を着るだけで、満腹感が早く得られますよ。
続いて、よく尋ねられる「胃を小さくする手術」についてお答えします。
【最終手段】胃を小さくする手術とは?
重度の肥満に対して、物理的に手術で胃を小さくするという治療も行われています。
誰にでも適しているものではなく、
・BMIが32以上で糖尿病などの病気がある
など、一定の基準を満たす人に対して行われ、保険が効く場合もあります。
胃を小さくする手術として最も一般的なのは「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」と呼ばれるものです。お腹にいくつか小さな穴をあけて器具を差し込み、胃を80%ほど切除します(つまり胃が元の2割ほどの大きさになります)。
胃の形はバナナのように細くなってしまい、術後は3~4口(100㏄くらい)食べればお腹がいっぱいになります。個人差はありますが平均30%の減量につながるとされています。
深刻な糖尿病に悩まされていた人が、手術後は服薬やインスリン注射が不要になったという報告も多いようです。
このように胃を小さくする手術は、深刻な肥満や関連する病気を持つ人にとっては、比較的すぐに問題が解決する有効な方法と言えます。
術後は食べる量が劇的に減るので確かに痩せますが、筋肉が衰えるため美しいボディラインに戻すにはやはり努力が要ります。また、すぐ吐いてしまうなど食べられるモノや量に制限が出ることも避けられません。
一般的には1週間ほどの入院が必要になります。また、通常の手術と同様、全身麻酔に伴うリスクや出血のリスクもあり、本当に深刻な健康上の問題を解決するためにだけ取るべき手段と言えるでしょう。
とはいえ最近では、胃カメラを飲むようにして行える「内視鏡的スリーブ状胃形成術」という方法も行われ始めています。よりライトな症例にも使われており、今後もう少し気軽に受ける人も増えるかもしれません。
満腹中枢へのアプローチで食べる量を減らして痩せよう!
胃を物理的に小さくすることはセルフケアではできません。どれくらい食べれば満足かを決めるのは、胃ではなく脳にある満腹中枢です。
満腹中枢をうまく働かせることで、少ない量でもお腹いっぱいだと感じることができ、ある意味「胃を小さくする」ことができます。
今日から始めてほしいのは、しっかり噛んでゆっくり食べること。最初の2~3口だけでもいいので、30回を目標によく噛みましょう。
食事を楽しみながら、自然に食べる量を減らしていけば、辛いガマンなしでスルッと痩せられますよ。食べるのが大好きな自分のままで、理想のスタイルをゲットしましょう!