「今のままで十分充実している。わざわざ結婚する意義を感じない」「婚活したが違和感しかない。合わない人と結婚するより一人で生きていく方が良い」
そんなきっかけで、結婚しない生き方に興味を持つ女性が増えています。
「おひとりさま」「ソロ女」と、結婚の意志がない独身女性を表す言葉をメディアでもよく目にします。女性が結婚するのは当たり前という時代は終わり、一人でも輝ける環境が整ってきました。
とはいえ、結婚しないことで数年後、また数十年後、自分の人生がどうなっているのかは気になるところ。
今は結婚しない生き方が認められ始めたばかりの端境期。実際に結婚しなかった人のサンプルがまだまだ少ないので、実際のところどうなのか不安を感じている人も。
この記事では、結婚しない生き方をする場合の現実と、心理面・マネー面でどんな準備を今からしておけば良いかをお伝えします。
実際に結婚しない生き方を選んだ女性からのコメントやアドバイスをもとに、本音の現実を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
しっかり備えをして、あなたの決める幸せな人生を思い切り楽しみましょう!
美容ライフスタイルアドバイザー
ヒロコ
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談を多数いただくようになったことをきっかけにフリーランスブロガーに本格転身→海外移住→3Qsにジョインし美容・ライフスタイル情報発信を担当。昨日より今日の自分をもっと好きになってもらえるとうれしいです。
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談...
Contents
結婚しない生き方はアリ?ナシ?
昭和の日本では、適齢期に達したら結婚するものだと考えられていました。しかし平成・令和と生き方が多様化し、結婚しない人生を選ぶ人が増えています。
たとえば、厚生労働省の人口動態調査では、昭和47年の婚姻件数は109万9984組。令和元年には、日本の総人口は増えたにもかかわらず、婚姻件数は59万8695組と半分に減りました。
「日本人の意識調査」では、人は結婚するのが当たり前だという人よりも、個人の自由でどちらでもよいと考えている人の数が大きく上回っています。
また、内閣府の世論調査でも「結婚はしてもしなくても良い」という考えに「賛成」「どちらかといえば賛成」合わせて7割という結果に。年齢層別にみると、20~30代では9割の人が結婚しないのも個人の自由だと考えています。
このように、自分が結婚するかどうかにかかわらず、結婚も独身も幸せな人生の形のひとつで自由に選んでよいという考え方が浸透してきたことがわかります。
既成概念や周りの圧力からいったん離れて自分の心を見つめた時、結婚したい理由・独身でいたい理由は何でしょうか。
もちろん、自分の人生を最高に幸せにするためにベストな選択をしたいという思いでしょう。
ここでひとつ注意したいのは、結婚することで自動的に人生がアップグレードするわけではないということ。
結婚することである種の問題からは逃げられても、新しい問題に直面することになります。結婚することで何かを手に入れても、何かを失うことになります。
結婚や独身は一つのファクターにすぎず、それによって人生が一発好転するものではないです。問題や幸せの種類に違いがでますが、どちらがより幸せということはできません。
既婚なら既婚、独身なら独身の立場を生かしてベストを尽くすことができる人が、幸せな人生を送れます。
新しい考え方のようではありますが、実際には約2000年前に書かれた「新約聖書」にも、結婚も独身も神さまからの贈り物だという概念が記されています。
自分に合う方を受け入れ、有意義に生かしていくという考え方です。時代にかかわらず、固定観念に縛られず人生の真実を理解している人はいたのですね。
ただし女性にとっては、現代になって初めて、以前のように家庭に所属しなくても女性が輝ける環境が整ってきました。そのため幸せな人生への選択肢が増えたといえます。
ただし、一時の感情で決めるのではなく、真剣に自分と向き合って選択しましょう。カッコイイからとか、誰かに憧れて安易にマネをするのはお勧めしません。
後になってやはり結婚の道を選ぼうと思っても、年齢が上がってからではなかなか難しいからです。
結婚する人生もしない人生も、現実は甘くありません。特に結婚しない場合は自分だけが頼りなので、メリットとリスクを理解してしっかり準備しておくことが大切。
ここからはまず、予測されるメリットとリスクについてご紹介します。
結婚しない生き方のメリットとリスク
結婚しない生き方を選んだ場合、長い目でみてどんなメリットとリスクがあるでしょうか。
結婚しない生き方のメリット
実際に結婚しない生き方を謳歌している人の声から、4つのメリットをピックアップしました。
時間やお金を自由に使える
結婚しない生き方の最大のメリットは、お金や時間を自由に使えることでしょう。夫や子ども、夫の家族や友人のために自分の行動を制限されることがありません。
気楽な生活や趣味に没頭する生活を誰にも邪魔されずに堪能できます。誰かを世話する責任を負うこともなく、ストレスが増えません。
週末の予定ひとつにしても夫と相談しなければならなかったり、夫の用事や子どもの病気でキャンセルになったりといった面倒は一切ないです。
自宅の購入などの大きなイベントも、自分にとってベストのタイミングと方法で行えます。
仕事に没頭できる
仕事が楽しい、仕事で認められている人にとっては、仕事に没頭できるというのも大きなメリット。
当然のように家事を期待されたり、子どもの世話を優先させたりということで、キャリアをペースダウンする必要はありません。
専業主婦になるようプレッシャーがあったり、夫の転勤や海外赴任で自分のキャリアが中断したりすることもありません。
何日出張しようが、帰りが午前になろうが、誰も何も言いません。家に仕事を持ち帰っても、休日に仕事関係の勉強をしていても、かまって欲しがる人はいません。ひたすらキャリアアップにまい進できます。
人間関係をシンプルに保てる
独身でいると、自分の友達や同僚など人間関係をシンプルに限ることができます。気の合わない人や利用してくる人とは無理に付き合う必要がありません。
結婚すると、夫の家族や親戚、友人や同僚との付き合いも必要になります。合わない人がいても自分の一存で関係を切ることはできません。自分の振る舞いが夫の評判を傷つけることもあるため、疲れてしまいます。
独身なら、実家の近くに住むか、盆や正月は帰省するかといったことも、誰にも気を遣うことなく自分と親との関係で決められます。
親と水入らずで過ごせる
結婚しない生き方を選んだ女性からの意見で意外だったのが、心ゆくまで親と過ごせるというもの。
夫に気兼ねすることなく頻繁に帰省し、必要なら一緒に住んで、親との最後の日々を子どもの頃のように水入らずで過ごせるというのです。
年を取ってから独身の娘と暮らす友人をうらやんで、嫁いだ自分の娘が離婚して帰ってこないかなーと冗談半分に言うお母さんたちもいるとか。不謹慎ですが半分は本音かもしれません。
確かに結婚後は、夫を置いて帰省しても、夫を連れて帰省しても気を遣うもの。結婚前のように居心地よく実家に入り浸ることはできなくなります。
実家大好き、親と仲がいいという人は、独身のメリットが大きいと思います。
結婚しない生き方のリスク
現実として頭に入れておくべきリスクが、少なくとも4つあります。
マネー面
今と同じように働けるうちはよいのですが、働けなくなったリタイア後の資金をどうするか考えておく必要があります。
金融庁が、老後30年の不足資金は2000万円と発表し話題になりました。これは夫婦で暮らしている場合の数字です。
一人暮らしでは、年金収入は半減しますが支出は半分にはなりません。3000万円見込む必要があるともいわれています。
月々の不足額を補い不測の事態にも対応できるよう、自分でしっかり貯蓄しておかなければなりません。
病気・老後面
お金の問題とは別に、病気や老化で他の人の助けを借りなければならなくなった時にどうするかという問題もあります。
2016年のデータでは、女性の平均寿命は87.14歳。しかし、自立した生活を送れる期間である「健康寿命」は74.79歳です。
つまり、支援や介護を必要とする期間が平均12年もあるということ。長生きをすればするほど入院や介護のリスクも高くなります。(参考:▶厚労省)
亡くなる直前まで毎日元気であれば良いのですが、そうでない場合はだれに助けてもらうのか考えておく必要があります。介護施設やサービス付き高齢者向け住宅の利用を考えているなら、費用の準備が必要です。
住宅面
最後まで必要になるのが住みか。ずっと賃貸で行く・持ち家を買う・リタイア後は公営住宅に入るといった選択肢があります。
今の時点で、ある程度どうするか決めてお金やキャリアのプランを立てる必要があります。なるようになる、その時決める、というのでは遅いです。
周りからの圧力と孤独
親や親族と顔を合わせるたびに「結婚は?」と聞かれることも、プレッシャーに弱いタイプの人にとってはリスクのひとつ。親族内で結婚式があるたびに憂うつな思いをすることになります。
しかし実際には、そんな風に言ってくる人たちも徐々に老いて亡くなっていきます。親もきょうだいもいなくなり、本当に一人になってしまった時の孤独感は、言葉では言い表せません。
結婚しない生き方のメリットを生かし、リスクに対応するためには、今から準備しておくことが大切。どんなことをしておけばよいか、心理面とマネー面に分けてご説明します。
結婚しない生き方をするなら今から準備しておきたいこと【心理面】
結婚しないことにしたら、まず心理面では次のような準備をしておきましょう。
コミュニケーション力を磨く
結婚しない人は「一人で生きていく」ことになりますが、コミュニケーション力や人脈は人一倍必要です。「一人」と「孤独」は違います。
せっかくの独身生活、自分のテリトリーに引きこもって好きなことだけして過ごせばラクですよね。でも、それは将来の孤独な生活につながります。
今、エネルギーやチャンスのあるうちにできるだけ視野を広げ、友人を増やすのが正解。親やきょうだい、きょうだいの配偶者や子どもとの関係を大切にしましょう。
お互いに気に掛け合い、何でも相談できる人がいることは、独身生活にはとても重要なことです。
独身なので何でも自由に決めることができる分、良い決定ができるよう助けてくれる人が必要。気にかけてくれる人がいることで、詐欺にあわずに済んだり、健康に悪い習慣をやめたりできることもあります。
どんなに優れた女性でも、困ることや寂しく感じることがあるということを認めましょう。信用できる、力になってくれる人を周りに多く「貯蓄」しましょう。
コミュニケーション力を磨く方法についてはいろいろな専門家が発信していますが、私がおすすめしたいシンプルな方法は3つ。
・与えること
・感謝すること
です。
お互いに自分のことばかり話す関係は、仲良く見えても深まりません。相手の気持ちを想像しながらじっくり「聞く」のも一つのスキルです。
じっくり本音を聞いて、相手が本当に必要としているものが見えてきたら「与える」チャンス。独りよがりでない贈り物や援助ができると、相手はその愛にこたえたいと思ってくれるようになります。
相手が好意を示してくれたら、感謝を忘れないことも大切。親しくなるにつれてアラも見えてきますが、良いところに目を向けるように努力する時期です。
アドバイスやヘルプが多少的外れでも、当たり前と思わず感謝しましょう。
何度も小さな愛のやり取りをするうちに、お互いに気に掛け合う、安心して頼れる関係ができます。家族や親戚だからといって、自動的にはそうなりません。踏むべきステップは同じと考えて、関係を築いていくことが大切です。
困った時だけ頼るから、遠慮や軋轢が発生します。普段から温かいコミュニケーションを持つことで、気持ちよく助けてもらえます。相手も、あなたを助けられたことをうれしく思うはずです。
はじめからうまくできないかもしれませんが、コミュニケーション力もスキルと考えて磨きましょう。まずは気遣いの電話を一本入れることから始めてみてもいいですね。
ストレスや不安のマネジメント方法を身につける
一人で生きていくにあたり、ストレスや不安は思っている以上に生活の質に影響します。
特に年を重ねると孤独や体調不良で気持ちがふさぎ、心の不調が体調にまた影響して負のスパイラルになることがあります。
一生の習慣にしたい、抗ストレス方法を二つご紹介します。
自分を分析し切り替え方を学ぶ
今のうちに自分のストレスのクセを分析し、切り替え方を学んでおきましょう。
たとえば小さなことにくよくよするタイプの人や、これからのことを心配し過ぎるタイプの人。私と同じ心配性です。
過去のことは悩んでも変えられません。また、将来について心配していることの9割は実際には起きないというデータがあります。つまり、どちらもほとんど意味がないのです。
私は、不安が収まらないときは無理にリラックスしようとするのではなく「やる気出てきた!」と自分に暗示をかけています。ドキドキを、脳がやる気と勘違いして思いのほかパフォーマンスが上がります。
ほかにも、自分を卑下する、他人を妬ましく思う、完璧にできないと失敗したと感じるなど、ストレスのもとになっている思考パターンを突き止めておきます。
原因が分かれば半分解決したも同じ。「あっまたこの傾向が出た」と自覚するだけで、ストレスをコントロールしやすくなります。
「隣の芝生は青く見える」「過ぎたるは及ばざるがごとし」など自分にかける言葉を用意しておくのもおすすめ。
海外旅行や飲み歩きでストレスを発散するのも良いですが、できれば一つ二つは年齢を重ねてもできる方法を見つけておきましょう。
好きな香りの入浴剤で入浴する、紅茶にブランデーを入れて飲む、植物や動物を育てるなど小さなことで切り替えられるようになれば理想的ですね。
運動習慣をつける
運動はストレスや不安の解消に役立ちます。単に気分転換になるというだけではありません。体力にある程度自信があると、外向き・前向きな考え方をすることが容易になります。
運動すると、セロトニンやエンドルフィンなど心を安定させるホルモンが分泌されます。夜に深い睡眠が取れ、心身の調子が良くなります。
アメリカのある研究では、65歳以上の人たちに週三回・40分のウォーキングを6ヶ月続けてもらった結果、脳に変化が見られました。
「前部帯状回」という、やる気やストレス耐性にかかわる部位の厚みが増したのです。
私は運動が苦手でしたが、運動でメンタルも鍛えられると知って、ジムに行き始めました。もう何年も続けています。
帯状回が厚くなったかどうかはレントゲンを撮らないとわかりませんが、確かに不必要な繊細さがなくなり、小さなことが気にならなくなったように思えます。
もちろん繊細さにも魅力はありますが、一人で生きていく女性に必要なのはメンタルの強さ。それは、ある程度運動で鍛えられると私は思います。
ストレス対策だけでなく、生活習慣病や骨粗しょう症対策という意味でも、運動は有益です。病気や入院は、独身女性にとって一番厄介なことのひとつ。運動ひとつでかなりの程度予防できます。
年を取ってから運動習慣をつけようと思っても本当に難しいので、ぜひ今から始めて一生続けるのがおすすめです!
周りの目を気にしない訓練をする
時代は変わり社会も変わったとはいえ、結婚しない人のことを変わっている人、かわいそうな人、寂しい人という目で見る人はいつまでもいます。
これが人目を気にするタイプの人にはキツイ場合があります。自分が選んだ幸せに納得しているなら気になりませんが、そうでなければ惨めな気持ちになることも。
とはいえ実際には、結婚している人もそれは同じ。自分の選んだ夫や生活に完全には満足していない人は多くいます。
夫の容姿や社会的地位について、他の人がどう言っているか気にしすぎて惨めな気持ちになる人も。でもそれはナンセンスです。
親や親戚は自分のことを気にかけて、未婚であることについていろいろ言うかもしれません。花嫁姿や孫の顔を親に見せないことを親不孝だと言ったり、縁談を世話したがったりする人もいます。
いろいろな人がいますが、アドバイスやヘルプを受け入れるつもりがないのであれば、しなやかに受け流す余裕を。たとえその人たちを満足させるために結婚したとしても、その後の人生にだれも責任を持ってくれません。
いわれるまま結婚したとして、子どもは、二人目は、子どもの学校は、就職はと周りの期待に応えることには終わりがないのが現実。
気にかけてくれていることに感謝しつつも、自分の人生をコントロールする意志をはっきりと自覚しましょう。そして、自分なりに幸福で充実している姿を見てもらうのがベスト。
本当にあなたを気遣う相手なら、たとえ理解に時間はかかってもそのことを喜んでくれるはずです。
独身でも既婚でも、信念をもって選び取った生活を愛し、自分の努力で良くしていく必要があるのは同じ。
あなたは、結婚から逃げて未婚でいる人や、周りのプレッシャーに耐えられず結婚する人ではありません。そんな自分に対する誇りをしっかり持ちましょう。
結婚しない生き方をするなら今から準備しておきたいこと【マネー面】
次に、大切なマネー面での準備について説明します。
キャリアプランを立てる
結婚せずに生きていく場合、基本的には生涯働くことになります。定年までのキャリアプランをきちんと見据える必要があります。
仕事をいつまでも充実させるには、日々なんとなく働くのではいけません。今から40代、50代の自分の理想のキャリアを具体的に想像し、アップデートを続けることが大切。
とはいえ、実際には結婚や出産がない分、プランは立てやすいです。家庭のために労働時間をセーブする必要もないので、昇進や昇給もしやすいでしょう。
大卒正社員の女性の生涯所得は、結婚出産する場合としない場合で1億円以上の差が出るというデータもあります。
注意が必要なのは、転職を考えている場合。転職市場では、ライフプランが固まっているとして既婚者が若干有利な傾向にあります。未婚者は今後まだ結婚や出産などでの退職リスクがあると判断されるようです。
結婚するつもりがないことを声高に主張するよりも、企業の求人背景を知り、自分のビジネススキルのどの面をアピールするか決めましょう。
たとえば管理職に応募したなら、売り上げトップの実績よりもチームをまとめた実績について話すのが正解です。
ただし、会社や仕事に人生をささげてしまう誘惑に注意しましょう。思い通りにキャリアを積むのは快感です。しかしこのご時世、仕事がうまくいかない時期や、会社がなくなってしまう事態もあり得ます。
そんな時、結婚している人なら家庭や子どもの存在が支えになり、踏ん張るモチベーションになることが多いです。一方、自分のためだけに働いてきた場合は、深刻な燃え尽き症候群に陥るリスクがあります。
自由に仕事に打ち込める独身女性だからこそ、ワークライフバランスに気を配りましょう。もしもの時に人生の意味を見失ってしまわないように。これは退職後の彩りある人生にもつながります。
十分な貯蓄をする
定年まで働いてから、まだ30年ほどある老後の生活。今から無駄遣いを減らし、貯蓄や資産運用で、生活費や医療費を賄えるようにしておくことが大切です。
年金がもらえるんじゃないの?と思っている人もいますが、生活に足りるだけもらえるでしょうか。
厚生労働省年金局「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、もらえる年金の平均月額が
・厚生年金(会社員)146,000円
となっています。これは現時点での数字なので、少子高齢化が進めば、もっと少なくなるでしょう。
総務省家計調査年報(2019年)によると、高齢単身無職世帯の1ヶ月の生活費は151,800円かかるとなっています。差額は自分で賄うしかありません。
老後30年としてざっくり計算すると、フリーランスの人は3450万円、会社員は2100万円の自己資金を準備する必要があります。
これは普通の生活をする場合の試算です。旅行やファッションなど、ゆとりある生活を希望する場合は、さらに5万円ほど上乗せした計画が必要。
生活費に加え、医療費や交際費(知人・親族の慶弔が多くなるなど)、リフォーム代などシニア世代に増えがちな出費も。
加えて、将来インフレになった場合は、ためてあるお金の価値が下がる可能性もあります。このような潜在的な経済リスクも視野に入れて、一人で備える必要があります。
今あなたが30歳で、2~3000万円のお金を貯めようと思えば、
・年収の3分の1を貯蓄に回すよう単身者に勧めている専門家もいる
ことを覚えておきましょう。
個人年金や定期預金などの情報もこまめにチェックして、少しずつでも増やしていくのもおすすめ。
日本の金利は低いですが、キャリアの中で海外赴任のチャンスがあればその国の金利もチェックしてみましょう。自己責任ですが、赴任期間中にけっこう増やせたという人もいますよ。
ここまでは自分の老後について考えましたが、最後にもっと直近の問題である、自分の親の介護について一言。
結婚して配偶者が働いていれば自分は休業して介護することもできますが、一人の場合はそういうわけにもいきません。
きょうだいがメインで介護してくれるのであれば、自分は主に資金面で援助することになるでしょう。施設を利用する場合は当然まとまった費用がかかります。
両親には元気でいてもらうのが一番ですが、いつまでも若く元気ではありません。自分のライフプランについて親やきょうだいと率直にコミュニケーションを取り、考えられる選択肢についてある程度調べておきましょう。
住居問題に備える
最後まで賃貸に住むのか、自分の城を持つのかも悩ましい問題です。自分の家があれば住む場所を失う心配がなく安心ですが、考えなければならない問題もいくつかあります。
たとえば分譲マンションなら、家賃とほぼ同じくらいのローンを払って、自分のものになるなら良いのでは?と安易に考えてしまいがちです。
でも分譲マンションを購入した場合は、共益費、修繕費の積み立て、固定資産税など賃貸にはない出費が継続的にかかってきます。自分が老いて去る時にどう処分するかという問題も発生します。
もし自分の家を購入することにしたなら、職場との距離など今のことだけでなく、老後もずっとそこに住むことをイメージしましょう。
特に、買い物や通院に便利な立地の物件を選ぶと後々後悔しません。庭やロフトに憧れている人は、今一度慎重に老後をイメージしてください。
住宅ローンについては、独身女性は不利な傾向にあります。女性は男性より年収が低い傾向にあり、一共働き世帯に比べると半分以上不利です。
30代女性の平均年収は約380万円、住宅ローンを組める額が年収の約5倍程度。つまり、資金は2500万円台が限度ということになります。多少妥協しなければ予算内に収まらないという人も多いです。
そして満足度にかかわりなく、月々7~9万円の返済を一人で背負っていくことになります。
もし相続などが絡んでややこしいようなら、早めに専門家に相談するのもおすすめ。すべきこととすべきでないことがはっきりし、その時になって相談するよりも良い計画が立てられるでしょう。
きちんと準備して結婚しない人生を幸せに生きよう!
幸せな人生のために奮闘しなければならないのは、独身者も既婚者も同じ。責任がすべて自分の肩にかかっているからこそ、自分の準備次第でベストな人生を送れます。
「いい人生だった」と思えるよう、賢く備えてしっかり楽しみましょう!