妊娠を機会に結婚を決めることを世間ではできちゃった婚、略してデキ婚と呼びます。芸能人でもデキ婚を発表する人も多いですし、最近では特に珍しいことではありませんよね。
またデキ婚は近頃「授かり婚」と呼ばれ、できちゃったのではなく授かったのだとポジティブにとらえられることもあり、ひと昔前のように世間の目が気になるという印象は少ないのではないでしょうか。
結婚を迷っていたけれど、妊娠したことが結婚への背中を押してくれたという女性もいます。しかしやはり30代という大人同士の結婚ですから、やはり段階を踏んで、結婚をしてから子どもを作るという順番を守るべきであると考える人ももちろんいます。
恋愛コラムニスト
齋藤緑子
関西在住ライター。マッチングアプリを利用して30人以上の男性と出会い、男女関係にまつわる様々な取材を敢行中。恋愛や不倫、セックスなど、誰にも言えない悩みを抱えた女性の心に寄り添います。
関西在住ライター。マッチングアプリを利用して30人以上の男性と出会い、男女関係にまつわる様々な取材を敢行中。恋愛や不倫...
30代でデキ婚をする女性はどれくらいいるの?
2014年に厚生労働省が行った、結婚期間1年未満の夫婦を対象とした出生に関する統計調査によると、結婚から第一子出生までの期間が10か月未満、つまり結婚をした段階ですでに妊娠をしていたカップルは全体の約25%を占めているという結果が出ています。つまり4組に1組のカップルがデキ婚をしているということになりますね。
同じ調査において、結婚をしている女性のうち、デキ婚をしたという女性の割合を年代別に見てみると、以下の結果になります。
20代前半:51%
20代後半:21%
30代女性:10%
年齢を重ねるごとに自分の人生設計をしっかりと考えるようになる女性も多いため、デキ婚をする割合は若い年代の方が高いといえます。
しかし、結婚をしている30代女性のうち、10人に1人はデキ婚をしていると考えると30代のデキ婚もそう珍しいことではないということもわかりますね。
30代女性がデキ婚をするメリットとは
30代になると社会人としてもしっかりと地に足のついた頃ですし、仕事でも相応のキャリアを積んでいる年代です。結婚や出産など、将来のことを計画的に考えはじめる女性も多いのではないでしょうか。
そんな30代女性がデキ婚をするメリットとは一体どのようなものなのでしょうか。
結婚を認められやすい
現在付き合っている人と結婚をしたいと考えていても、親族から認められずに悩んでしまうカップルもいますよね。しかし妊娠しているとなると話は別です。
すでにお腹の中に芽生えた生命は、日に日に成長しています。結婚と妊娠の順番が違うことにはいい顔をされないかもしれませんが、十分に大人であるということもありますし、生まれてくる子どものことを思えば2人の結婚を認められやすいでしょう。
結婚に悩んでいる時のいいきっかけになる
長く付き合っていて、お互いの事をなんでも理解しているような恋人がいるものの、付き合いが長すぎたり、一緒に暮らしていたりすると家族のような存在になってしまい、結婚に踏み切るきっかけを失ってしまうというカップルもいます。
そんなとき、妊娠をしたことが2人の背中を押してくれることも。お互いにけじめをつけるいいきっかけになりますし、子どもが生まれてくるまでの期間が限られているので、結婚までのステップを早めに進めることができます。
不妊について悩む必要がなくなる
結婚をしてからいざ子どもを作ろうとしたとき、なかなか授かることができず不妊で悩む夫婦も多いといいます。特に30代になると、子育てに向き合う体力面などを考慮して早めに子どもを作りたいと思うこともあるでしょう。
しかしなかなか子どもができないと、不妊治療に長く時間や費用を費やしてしまい、気持ちの余裕がなくなって夫婦仲に溝ができることも少なくはありません。
その点デキ婚はもう妊娠をしている訳ですから、不妊で悩む必要はありませんよね。
挙式や新居について短期間で決められる
結婚をするときには挙式や新居など、2人で話し合って決めなければならないことが沢山ありますよね。婚約をしてから入籍や挙式までの期間が長いと、時間に余裕がありすぎるがゆえに結婚について色々考えて不安になってしまったり、話し合いがなかなか進まずに苛立ってしまったりして、結局結婚そのものを白紙に戻してしまうというパターンもあります。
しかしデキ婚の場合、お腹が目立つ前に挙式をしたり、子どもが生まれてくるまでに新居を用意する必要があったりと時間が限られているため、何事も短期間でサクサクと決めることができます。
夫婦ともに責任感を持つようになる
デキ婚をするということは、結婚をしてすぐに子どもの親になるということです。これから子どもを育てていくために、経済面や精神面でも責任感を持って行動をする必要があります。
結婚をすることをゴールインとよく言いますが、デキ婚はゴールインしてすぐに親としての人生がスタートします。結婚をしたから満足するのではなく、将来のことを考えてしっかりとした人生設計を築くことができます。
30代女性がデキ婚をするデメリットとは
30代でデキ婚をするメリットは多くありますが、もちろんデメリットもあります。デキ婚のデメリットについてもよく理解しておくと、いざ自分が直面した時に対処しやすいでしょう。
憧れていた結婚式ができないこともある
結婚するときはキレイなウエディングドレスを着て、素敵な結婚式場や海外の教会で式を挙げることに憧れている女性は多いのではないでしょうか。大好きな人と付き合っていて、将来この人と結婚したいと考えだしたとき、「こんなドレスが着たい」「式場は〇〇がいい」などと、具体的に自分がどんな挙式をするのかをイメージしてウキウキしたこともあるのでは?
しかしデキ婚の場合、お腹が目立つ前に挙式の日取りを決めなければならず、人気の式場を押さえられなかったり、すでにお腹が大きくなっていて自分の着たいドレスが着られなくなってしまうことがあります。
それだけならまだしも、悪阻がひどい場合や切迫早産の危険性がある場合は母子の健康を優先して、式が挙げられないことも。
ふたりきりで過ごす新婚生活が短い
結婚して間もないころは2人きりの甘い新婚生活を楽しみたいと思うものですが、デキ婚の場合2人きりでいられるのは子どもが産まれてくるまでの短い間のみ。子どもが産まれるまでの間は10月10日と言われているように、2人きりの時間は1年にも満たない間です。
子どもが産まれたらすぐに育児にかかりっきりになってしまい、幸せではあるもののラブラブとは程遠い生活になってしまうことも。
周囲から計画性がないと思われる
デキ婚に対する世間のイメージがかなりポジティブになってきたとはいえ、まだまだデキ婚は順番が違うと思う人も多くいます。
また近年は女性の社会進出が進んでいることもあり、会社で重要な役目を担っている30代女性も増えています。女性は妊娠をきっかけに仕事を休まなければならず、職場関係などの周囲の人間からしてみれば計画性がないと思われることがあります。
気持ちやお金の準備が不十分
ぼんやりと結婚について考えていたならまだしも、全く想定していない状態で妊娠してしまった場合、急に結婚をして子どもの親になることに気持ちの準備ができず、戸惑ってしまうことがあります。
女性は身体の変化で実感するとしても、男性は特に変化がないので自分が親になるという実感がなかなか湧かず、すれ違いが生じてしまう可能性も。
さらにお互い貯金ができていない場合、新居や出産にかかる費用を工面するのに苦労することにもなります。
離婚率が高い
デキ婚は離婚しやすいといわれているのをご存知でしょうか?実際、デキ婚をして離婚をする夫婦は約4割とも言われています。
結婚を考える前に妊娠がわかった場合、お互いの生活スタイルや金銭感覚などをよく理解しないうちにバタバタと籍を入れ、一緒に暮らすことになります。そこで結婚してから「やっぱり合わない」と感じ、離婚に繫がってしまいます。
また新婚生活が短く、女性がすぐに育児に専念しなければならないため、男性が寂しさを感じてしまったり、父親としての自覚を持てない男性に女性がストレスを感じてしまったりするケースも。
30代女性がデキ婚するうえで、やらなければならないこととは
メリットもデメリットもあるデキ婚ですが、もし自分がデキ婚をするとなったら、できればデメリットは回避したいものですよね。体内に宿る生命を守り、かつ幸せな結婚にするためにやらなければならないことを考えてみましょう。
入籍から挙式、出産の準備を早めに行う
妊娠しているとわかったら、できる限り早めに入籍をするようにしましょう。妊娠中は精神的に不安定になりやすいので、結婚式や出産の準備でバタバタする前に色々な手続きを済ませておくと、精神的に余裕ができます。また新しい姓で母子手帳を交付してもらうと、後で名字の書き換えをする手間がかかりません。
挙式は安定期がに入り、かつお腹が目立つ前(5~7か月頃)に行うと母子ともに安全に式をとり行うことができますので、その前に式場を決め、打ち合わせを進めておくのが良いでしょう。
新居や出産の準備で注意しておきたいのが、男性主導で準備をすること。妊娠中に動き回ると急に体調を崩してしまうことがあります。また出産が急に早まることもあるので、早め早めに準備しておくのがベストです。
職場や周りの人にきちんと報告する
妊娠がわかり、結婚をすると決めたなら、すぐに両親に報告や両家の顔合わせをするのはもちろんですが、職場の上司や同僚にも早めに妊娠・結婚の報告をするようにしましょう。
仕事の内容によっては体調面で配慮してもらわなければならないことがあります。また産休や育休の間の仕事の引継ぎなども早めに相談しておくと、「急に休んで迷惑をかけてしまった…」などと気に病むことなく、周りの協力を得られるはずです。
母親になるという自覚を持つ
急に妊娠がわかり、自分の身体の変化や環境の変化に心がついていかないと感じることもあるかもしれませんね。マタニティ・ブルーと言われるように妊娠中は精神的に不安定になりやすいものですし、妊娠初期はつわりで苦しみ、ストレスを感じることもあるでしょう。
妊娠中にイライラしたり涙もろくなったりするのは誰にでもあることですし、母親になるんだからしっかりしなきゃ!と思うことがプレッシャーに繋がり、余計に体調が悪くなることがあります。
とりあえずは子どもを無事に迎えられる準備をして、あとはただお腹の中の子どもを守るということを考えましょう。それが一番初めに抱く、母としての自覚であるといえます。
デキ婚で幸せな家庭を築くためには?
離婚しやすいと言われてしまいがちなデキ婚ですが、もちろんデキ婚で幸せな結婚生活を送っている人も沢山います。そこでデキ婚を経験した女性に、幸せな家庭を築くための秘訣を聞いてみました。
入籍前にこれからのことを話し合っておく
「まだ結婚も考えていない時に妊娠がわかったときは驚いたけれど、その時に彼とこれからどうしたいかをじっくり話し合いました。子どもができたから責任をとってすぐに結婚してもらうというわけではなく、どうすれば2人が幸せになれるかということを考えた結果、結婚をすることに。お互いにあたたかな家庭を築くのが夢だったこともあり、子どもができたことがグッドタイミングだったと思います」(35歳・医療系)
時々夫婦二人の時間をつくる
「付き合ってから1年ぐらいで、同棲をするかどうか考えていた時に妊娠しました。結婚式の準備や新居探しにバタバタしていて、いわゆるラブラブな新婚生活がほとんどできずに出産…。毎日毎日赤ちゃんのお世話に追われてぐったり。イライラすることも多くて旦那に当たったりして、一時は夫婦関係が険悪になったことも。このままじゃいけないと思い、子どもが寝てる間に二人で向き合って話す時間を作るようにしました。お互いに思っていることを話し合ったり、時にはくだらない話で笑ったり。それだけで気持ちが楽になるし、絆が深まった気がします。今は子どもが大きくなってきたので、前よりゆっくり二人で話せるようになりました。周りのママ友にも仲良し夫婦だとよく言われます」(37歳・主婦)
監修者「齋藤緑子」のまとめ