「30代にもなったのでそろそろ保険について見直したい」「他の独身女性はどんな保険に加入しているんだろう?」
キャリアを積みあげている真っ只中の30代独身女性にとって心配なのは、万が一の時のお金の工面です。
「突然、お金のかかる病気にかかってしまったり、病気によって働けなくなってしまった…」なんて時に役立つのがさまざまな保険制度です。
金融ライター
YURINA
大手保険会社に勤めて6年目。本業の傍ら、保険を中心とした金融系のライターとして活動中。ネット上にあふれている情報の中には間違った情報も多く、そんな現状を打破することをモチベーションに執筆を行なっている。
大手保険会社に勤めて6年目。本業の傍ら、保険を中心とした金融系のライターとして活動中。ネット上にあふれている情報の中に...
30代独身女性が支払っている保険料の相場は?
まず、30代独身女性が支払っている保険料の相場とはどのくらいなのでしょうか?
30代独身というくくりでのデータはありませんが、生命保険・個人年金保険加入者から集計した生命保険の年間払込料の女性平均は16.8万円という結果がでています。(生命保険文化センター/「令和元年度 生活保障に関する調査」より)
男性の平均が23.4万円ということを考慮すると、女性の方が掛け金は少ないようです。
この調査は、現在結婚して子供がいるかも大きく影響していると想像できます。独身であれば、最低限お葬式をあげるだけのお金があれば十分なためそもそもの生命保険への加入率が低い可能性もあるでしょう。医療保険にはある程度加入している割合が多いです。
逆に、将来結婚することを視野に入れている方は旦那さん・お子さんなど残された家族に対してお金が残るよう掛け金が平均より高めになっている事が多そうです。
保険を見直す時に知りたい3つの保険の形態
現在なにかの保険に加入している状態で、見直しをしたい時に知っておきたいのが3つの保険の形態です。
保険には種類があり、大きく分けて「定期保険」「養老保険」「終身保険」の3つがあります。
ここでは、それぞれの特徴やメリットをご紹介します。ぜひ、あなたにぴったりの種類をお選びください。
1:「定期保険」掛け捨てタイプで割安に加入できる
定期保険は、いわゆる掛け捨てタイプの保険になります。掛け捨てなので、他の保険よりもリーズナブルな価格で加入することができるのが特徴です。
その名の通り保証期間が決められており、10年程度の期間のものが主流のようです。
年齢が上がるにつれて保険料が高くなり、70歳あるいは80歳を区切りとして更新が不可能になります。年齢が上がるにつれて、保険会社のリスクが高くなるためですね。
しかし、この保険は30代にとっては非常に便利。毎月少ない保険料で、万が一の手術や入院などの大出費に備えることができます。手元に残せるお金が多ければ、まだまだ自分にお金をかけることもできます。
流動性が高いので、満期が来た時にはまた違うタイプの保険に切り替えることもできます。
2:「養老保険」死亡保証と貯蓄型の特徴を持つ
養老保険とは、死亡補償を得ながら貯蓄をすることができるタイプの保険です。
終身保険との違いは、満期があるか否かが重要なポイントになります。
保険満期の時か、加入者が死亡した時に保険金が降りるのが特徴です。死亡時も満期時も同じ金額が降りるので、死亡した際に遺族に迷惑をかけることはありません。
もちろん途中で解約をすればそれまでの分の返還金もあります。急な引っ越しやご祝儀ラッシュでお金が必要になった時などの最終手段にも役立つでしょう。また、長生きをした時の生活費などのリスク回避も可能です。
バブル時代には、利率もよく支払ったお金以上が返ってくるということで非常に流行った保険です。しかし、現代においては特殊なタイプではない限りあまりおすすめのできない保険でもあります。
もし加入するのであれば、ドルなど外貨での積立するタイプのものも検討してみるといいでしょう。
3:「終身保険」多くの返戻金がもらえる貯蓄型
終身保険とは、その名の通り死亡するまで補償の続く保険のことです。
養老保険とは違い、加入者が死亡した時点で保険金が降りるシステムなので、本人にお金が渡ることはありません。万が一の時に、遺族のために入る保険とも言えます。
独身であれば加入する価値はほとんどないとも言えますが、将来というのはわからないもの。
もし、ご結婚をしたり子供ができた時には思い出していただきたい保険です。
30代独身女性が入るべきおすすめの保険4種類
ここからは30代独身女性におすすめの加入すべき保険を4種類ご紹介します。
独身生活、何かあった時に頼れるのは基本的には自分だけです。両親に心配をかけるようなことも可能な限りはしたくないですよね。
ここでは、もしものリスクに備えたおすすめの保険をご紹介します。ぜひ、これからのためにご検討ください。
1:がん保険|深刻な経済的リスクに備える
まず、1つ目にご紹介するのは「がん保険」です。日本人の2人に1人かかると言われているがん。あなたが今30歳であれば、40歳になるまでの間にがんに罹る確率は1.4%あり、リスクとしては決して他人事ではありません。
・がんの罹患率が2人に1人って本当?
・がん治療をする際の経済的ダメージはどのくらい?
・独身女性ががん保険に加入する時のポイントは?
以上について、詳しくご説明していきます。
1−1:がんの罹患率は2人に1人?
よく、CMなどでも「がんの罹患率は2人に1人」というフレーズを聞きますよね。
「本当にそんなにいるの?」なんて思ってしまう人もいるでしょう。
しかしこの結果は国立がん研究センターから公式に発表されている公式なデータとなります。
(正確には男性が63.3%、女性が48.4%と女性の方がリスクはやや低いです)
30歳女性の場合、40歳になるまでに1.4%、50歳になるまでに5.2%、60歳になるまでに11.2%、70歳になるまでに19,5%、80歳になるまでには30.6%の人ががんに罹患するというデータも出ています。(参考:国立がんセンター)
あなたががんに罹る側の1人ではないという保障はありません。万が一に備える必要は十分にあるでしょう。
1−2:がんになった時の経済的ダメージはどのくらい?
実際にがんになってしまった時の経済的ダメージはどの程度なのでしょうか?
総額でいうと、どんながんも60〜70万程度という例が多いです。
また厚生労働省 医療給付実態調査を参考にすると、おおむね自己負担額は20万円前後のようです。
しかし、がんの治療中には働くこともできないので一時的に収入が減ります。その間の生活を担保するとなると、相当な負担がかかることは間違いありません。
厚生労働省『治療と職業生活の両立等の支援の現状について』のデータを見ると、約395万円だった収入が約167万円にまで減ったという例もあります。
30代独身の貯蓄ゼロ率は約40%とも言われています。自己負担額が20万といえ、まったくのゼロから捻出するのはかなり厳しいのではないでしょうか。
1−3:独身の女性に必要ながん保険の補償内容とは
独身の女性ががん保険に加入する場合、どのような補償内容に注目すると良いのでしょうか?
最低限、以下の補償を備えていただければ安心できます。
・放射線治療給付金 放射線治療を受けた月に一定額を受け取れる(10万円など)
・抗がん剤治療給付金 抗がん剤治療を受けた月に一定額を受け取れる(10万円など)
中でも診断給付金は何にでも利用することができます。入院費用や手術代はもちろん、通院の際の交通費にしてもOK。
がんになれば、治療の際にあらゆるお金がかかります。そんな時に心強い味方となってくれるでしょう。
2:医療保険|女性特有の病気に備える
様々な病気や怪我の際に役立つのが医療保険です。30代とはいえ、どんな病気にかかるかはわかりません。特に独身であれば手厚い補償を備えておけば万が一の時にも安心です。
ここでは、医療保険を選ぶ際のポイントについてお伝えしていきます。
2−1:対象となる女性特有の病気を確認
全ての病気・怪我の補償をしてくれる医療保険。そんな医療保険の中には女性特約があるものや女性専用保険といったものもあります。
さらに女性専用の医療保険の中には「女性特有の病気にかかった場合には補償が2倍になります」といった商品も存在します。
もし、あなたがそのような保険を選ぶのであれば、対象となる女性特有の病気を確認しておきましょう。
以下のような病気のカバーがされていると安心ですね。
・甲状腺の良性新生物、甲状腺機能低下症など
・子宮内膜症や子宮・卵巣・乳房の良性新生物
・異常分娩、子宮外妊娠など
とくに、子宮頸がんなどは妊娠の際に発覚することも多いです。30代になってからの妊娠で、はじめてがんが発見されれば子供を産むこと自体が厳しくなります。そうならないためにも、今のうちから備えておきたいですね。
2−2:女性専用医療保険は普通の医療保険と価格は変わらない
「女性専用保険というと、普通の医療保険よりもずっと高くなるのでは?」という心配をしている方もいるのではないでしょうか?しかし意外にも、料金はさほど変わりません。多くの場合は500円に満たないほどの差額です。
少しの差額で女性特有の病気にかかった際にカバーをしてくれるのであれば、助かりますよね。
デリケートな方だと入院時に個室を希望したい…というパターンもあるでしょう。そのような場合は高額療養費制度からの対象外となり、全額実費となってしまいます。
入院時に少しでも資金が欲しいという場合には役立つことでしょう。
2−3:保険は貯蓄タイプよりも掛け捨てタイプを
医療保険は終身型の貯蓄タイプよりも、掛け捨てタイプがおすすめです。
貯蓄型の中には、将来ボーナスとして返ってくるという商品も多数あります。しかし、多くは月々の保険料が高くなりますし、増えて返ってくるというシステムもありません。
30代独身であれば、ショッピングや旅行など自由に使えるお金は手元に持っていたいですよね。貯蓄と保険は別々に考えて、もしもの時に短期スパンで備える「定期型(掛け捨てタイプ)」がおすすめです。
3:就業不能保険|働けなくなった時のために備える
就業不能保険とは怪我や病気などの治療期間などにより、働けなくなった場合にサポートをしてくれる補償です。
就業不能状態によって働けなくなると、収入は大きく低下します。特にキャリアウーマンとしてバリバリ働いている人ほど、失った時の落差は大きいかと思います。
社会保障制度があったとしても、もともとの収入と同額もらえるということもないでしょう。
そんな時に、就業不能保険に加入していれば、最低限の生活が補償されます。
月々の支給金額は10〜50万円程度で設定でき、15万円のプランであれば月々の保険料は2000円程度です。
一人暮らしがいきなり無収入になれば、家賃や光熱費などのプランも一気に破綻します。社会保障もあるので優先度は低めですが、入っておけば働けない間も今まで通りの生活が送れますよ。
3−1:保険の前に社会保障制度を知ろう
就業不能保険に加入する前にチェックしておきたいのが社会保障制度です。もしあなたが会社員なら、まず傷病手当で1年6ヶ月までは給料の2/3を受け取ることができます。
また、障害が残ってしまった場合には障害年金により年間最大781,700円を受給することが可能です。障害が残ってしまった場合には、障害年金だけでは生活できないとのことで生活保護を受給する人もいます。
社会的な保障制度は案外整っているので、今、それなりに貯金がある人は就業不能保険に急いで加入する必要はないかもしれません。
ただし、自営業の方は傷病手当を受給することができません。現在、会社に勤めていない人には加入をおすすめします。
3−2:保証内容と保険金が受け取れる条件は要確認
働けなくなった時の助け舟となる就業不能保険ですが、保証内容と保険金が受け取れる条件はよく確認しましょう。
主に、就業不能状態というのは以下の状態を表します。
・病気やケガで、医師の指示を受けて在宅療養をしている状態
・精神疾患やそれによるケガの治療のため入院している状態
・精神疾患やそれによるケガで、医師の指示を受けて在宅療養をしている状態
しかし、中には精神疾患に関わる就業不能状態には保証が適用されない場合もあります。
また、保険金の受け取れる条件以外にも期間にも注目してください。就業不能期間から〇〇日経過したのちに保険金が支払われるというタイプも数多くあります。
自営業の人などは、一刻も早く保険金が欲しいという場合もあるでしょう。そのような場合には損害保険会社が取り扱っている「所得補償保険」もおすすめです。
所得補償保険は受け取りまでの期間を7日などに設定できるので、早い段階でお金を受け取れますよ。
4:生命保険|貯蓄性のある商品がおすすめ
独身女性にとって、生命保険の優先度はあまり高くないことはなんとなくご理解いただけているかと思います。遺族がいればまだしも、自分1人だけであれば葬儀代くらいが残せたら十分ですものね。
しかし、それでも生命保険に加入をしたいという人には貯蓄性のある終身タイプの生命保険がおすすめです。老後に備えて積み立てて、定年後に解約をすれば利息により増えた金額を受け取ることが可能です。
昔は日本円での積立がメジャーでしたが、近頃はマイナス金利の政策もあり返戻率が大きく下がっています。
そんな中でおすすめなのが、外貨での積立「外貨建て保険」です。米ドルや豪ドルでの積立は為替のリスクはあるものの、その分大きな利益を得ることも可能。ぜひ、将来に向けて検討してみてください。
30代独身女性必見!保険の見直しのタイミング3選
すでに保険に加入をしている場合、定期的に行いたいのが保険の見直しです。
結婚をすると、子育ての要素も加わり必然的に保険を見直すことになりますが、独身女性の場合はどのタイミングで見直しを行えばいいのでしょうか?
ここでは、30代独身女性におすすめの保険見直しのタイミングを3つご紹介します。
1:転職をしたとき
転職をすると、それに伴い加入する健康保険組合が変わります。その際、しっかりと保険の保障内容を確認しましょう。
健康保険の内容は、健康な時にこそ確認のできるものです。
しっかりとどんなことが保障されているのかを把握した上で、足りないものを補う形で医療保険に加入しましょう。
2:収入に変化があったとき
ボーナスカットや異動により収入が減ってしまうと、保険代の負担は大きくなります。
そのような場合には、不要な特約はないか、自分に必要のないプランは設定されていないか見直しましょう。
社会保障が整っている今、収入が突然一切なくなってしまうことはそうありません。今の自分に無理のない範囲で保険料の設定をしましょう。
また、逆に収入が増えた場合には貯蓄型の保険などに切り替えて将来に備えるのもおすすめです。
3:住宅を購入したとき
独身女性にとってはまだあまりピンとこないかと思いますが、住宅を新たに購入した場合にも見直しが必要です。
住宅を購入の際に「団体信用生命保険」に加入をしたならば、現在の生命保険と内容の重複がないか確認をしましょう。住居に関する特約などは、解約するのがおすすめです。
団体信用生命保険は、死亡時に住宅ローンを肩代わりしてくれる保険なので、今入っている生命保険を抜ける必要はありません。
一部、内容が重複している部分だけ確認しておきましょう。
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