20代に比べ、責任ある仕事を任されるようになる30代。充実した日々を過ごしているとしても、本当に何が起こるかわかりません。万が一のことがあったとき、家族への保障は十分と言えるでしょうか? 生命保険の中には、保険金を「給与」と同じく、毎月少しずつ受け取ることができる収入保障保険というものがあります。
この収入保障保険は、残された家族の生活費の保障を目的としています。ここでは、収入保障保険についてまとめています。家族を守る大切な保険ですので、仕組みや特徴をしっかりと理解した上で加入を検討してくださいね。
金融ライター
Larako
生命保険会社にて7年間勤務後、「保険への抵抗感」をなくしたいという想いから書くことを仕事に。2000人以上のお客様を担当し、そこから得た保険にまつわる知識を広く伝えるべく活動中。一児の母。
生命保険会社にて7年間勤務後、「保険への抵抗感」をなくしたいという想いから書くことを仕事に。2000人以上のお客様を担当し...
収入保障保険ってどんな保険?
「自分に万が一のことがあっても、遺族の生活費くらいはなんとかなるだろう」と考えていませんか?生活費の多くは固定費として、毎月決まった金額が必要になります。万が一のことがあったからと言って、生活費をいきなりゼロにすることはできません。
そんな生活費の備えとして、近年加入者が増えているのが「収入保障保険」です。まずは収入保障保険の特徴を4つ解説します。
掛け捨てタイプが多い
収入保障保険の特徴として、解約した場合の返戻金がないか、ほとんどない「掛け捨て」タイプという点があります。これはいわゆる定期保険と似た仕組みであり、保険期間は一定期間に設定され、その間の保障は手厚い分、解約した時にはお金はほとんど戻ってきません。
つまり、「子供が小さい間の保障」「パートナーが老齢年金を受け取るまでの間」など、手厚い保障を持つべき期間に当てはめるにはぴったりな保険と言えます。
保障は死亡+高度障害のみ
万一の死亡時もしくは高度障害になった際に、収入保障保険を使うことができます。
あくまでも、死亡もしくは高度障害に限られる保険ですので、ガンや3大疾病といった備えはついていない点には注意が必要です。
保険金は毎月受け取り
一般的な保険は、数万~数百万円単位でまとめて受け取るよう設定されています。収入保障保険は、「給与」のように保険金を毎月受け取るスタイルの保険です。
本来は「給与」という形で受け取るはずだったお金がなくなり、その分を保険から受け取ることになります。まさしく収入を保障するという目的に合う保険となっています。
保険料が安い
保険金額の仕組みも、この保険の大きな特徴です。収入保障保険は加入してから保険期間が経過するにつれて、受け取ることができる保険金の総額が徐々に減っていきます。
「保険に加入している期間が長いほど、受け取れる金額が少なくなるなんて!」と思われるかもしれませんが、実は非常に合理的な形なんです。
収入保障保険の目的は生活をカバーすることです。子供の成長やパートナーの年金受け取りが近づくことで、必要な生活費はどんどん小さくなっていきますよね。そのため、保険金額がずっと一定で変わらない保険よりも保険料が安く、無駄のない保険の持ち方が実現します。
収入保障保険が必要な理由
30代の女性は、すでに生命保険に加入している方も多く、「ある程度の保険には加入しているから大丈夫」と思っていませんか?自分に万が一のことがあったとき、本当に困るのは残された家族です。
万が一亡くなったときには、遺族の生活費はそれまで通り必要です。この生活費の部分を収入保障保険でカバーすることで、万一の際にも生活に困ることがありません。家族がいる方向けの保険ですので、独身の方は自分自身の保障を手厚くすることを考えるほうが良いでしょう。
入院保障保険のメリット
万が一の死亡時や高度障害の際に役に立つ収入保障保険ですが、ここでメリットについてもう少し深く解説します。
合理的に保障を準備できる
先述のように、収入保険の保障額は年を経るごとに減っていきます。
つまり、加入してすぐに死亡した場合と、加入から20年経過した場合に死亡した場合では、家族が受け取ることができる保険の金額が異なります。
加入年数と共に保障額が階段状に減っていくタイプの保険を、「逓減型保険」と言うこともあります。
この逓減型の保険は、保険に加入する上で非常に合理的だと言われています。子供が小さいとき、万が一にときには大きなお金が必要になります。教育費や生活費も膨らみますよね。一方で子供が成長するにつれて、必要なお金の総額は少なくなっていきます。
つまり、万が一の備えとして必要な保障額は年々少なくなるため、その考え方を反映させたのが収入保障保険の逓減型タイプと言えます。保障額が減っていくため、保険料も通常の定期保険よりも安くなっています。
徐々に必要保障額が減っていく仕組みをうまく利用し、合理的な保険加入が叶うのが収入保障保険のメリットです。
保険金を計画的に使える
保険金を計画的に使える収入保障保険は、一般的な生命保険とは異なり、一定の保険金を毎月受け取るスタイルです。仮に総額600万円が受け取れるプランだった場合、一括で600万円受け取るのではなく、月10万円を5年間(60か月)で受け取るようなイメージです。
収入保障保険というのは、毎月の収入を補填するような役割の保険です。生活費として使われることが一般的であるため、毎月決まった額がもらえる場合、保険金を計画的に使うことができます。
保険金は数百万円~数千万円と非常に大きな金額であることが多く、受け取った保険金を使い果たしてしまうという事態を避けることが可能です。
収入保障保険のデメリット
万が一のときに役に立つ収入保障保険ですが、あらゆる面で優れているというわけではありません。収入保障保険には、主に以下の2点のデメリットがあると言われています。デメリットも加味しながら、ご自身に合う保障を考えてみましょう。
まとまった金額を一気に受け取りたい場合には不向き
毎月の収入の代わりとなるのが収入保障保険です。毎月もらえる金額には幅がありますが、一般的には月10万円ほどを設定されることが多くなっています。
つまり、毎月10万円を5年間受取った場合、総額600万円を受取ることができます。仮に「600万円を一括で受け取りたい」という場合、600万円よりも減ってしまうことがあります。つまり、一括受け取りの場合は金額が目減りしてしまうため、まとまった金額を受け取りたいという方には不向きな保険と言えます。
まとまった一時金を受け取りたい方は、一般的な定期保険を契約すると保険金額がそのまま支払われますので、そちらがおすすめです。収入保障保険の保険金の受け取り方には特徴があるため、加入前に目的や考え方を整理しておくと安心ですね。
解約返戻金がない
解約返戻金がない、もしくはほとんどない保険のことを「掛け捨て」と言います。「掛け捨て」保険と比べられることの多い終身保険は、ある程度の解約返戻金があります。
この収入保障保険は、定期保険の一種と考えて良いでしょう。つまり、解約金がないことが多く、あってもごくわずかなケースが多くなります。
「保障が不要になった」という理由で途中で解約したとしても、解約返戻金はほとんど期待できません。しかし解約返戻金がない分、保障を割安な保険料で持つことができます。
30代女性は、なにかと支出が多い年代でもありますので、コスパの良い収入保障保険はぴったりな保険と言えます。
収入保障保険に加入する際に気を付けるべき3つのポイント
収入保障保険のメリット・デメリットについて確認した上で、ここからは実際に加入する際に気を付けるべき項目を3つお伝えします。
保険料での比較はしない
保険加入の際の1つのポイントになるのが保険料です。もちろん、固定費としての出費になるため、どれくらいの金額を保険料として捻出可能かということは事前に確認しておく必要があります。
しかし、保険そのものは各社によって内容や保険料も異なり、単に保険料だけを比べることはできません。
「万が一のときに受け取れるお金」「特約やオプションはつけられるか」など、中身と保険料のバランスに注目しながらプランを決めていくことをおすすめします。
保険でカバーするのは一部
万が一のことがあれば、その後の生活費の全てを保険でカバーしたい!と思う人も少なくありません。しかし、必要な金額の全てを保険でカバーすると、月々の保険料が大きく跳ね上がることになります。
「必要な保障」と「実際に持つ保障」の金額は異なります。心配度合いやニーズによっても変化しますが、バランスの良いプラン内容となるよう気を付けましょう。
数年先まで考慮して加入する
保険は数年、長ければ10年以上、同じ内容で契約することが一般的です。そのため、加入時には数年先のライフイベント等を考慮して加入するのが良いでしょう。
30代の女性であれば、「いつかは子供が欲しい」と考えることもごく自然な感情です。頻繁に保険を見直すのは負担も大きいため、将来のライフプランを事前に整理しておくとプラン内容をスムーズに決めることができます。
30代女性におすすめの収入保障保険6選
続いて、30代の女性におすすめの収入保障保険を6つご紹介します。
収入保障保険と言っても、各社からさまざまな種類の保険が販売されています。「結局どれが良いの?」と思われるかもしれませんが、「良い保険」とは人によって異なります。
保険料や保障内容、請求時の手続きのしやすさなど、何を重視するのかをはっきりとさせてから内容を検討するようにしましょう。それぞれの特徴を参考に、自分にぴったりな保険を見つけてくださいね。
1.オリックス生命 家族をささえる保険Keep
医療保険が人気のオリックス生命には、収入保障保険も用意されています。保険料は月払いが一般的ですが、この保険には半年払いや年払いが用意されています。保険料の払い方の自由度が高いため、ライフスタイルに応じた支払いができるのが嬉しいですよね。もちろんクレジットカード払いも可能ですので、カードのポイントも貯まってさらにお得です。
30代におすすめの理由
2.T&Dファイナンシャル生命 家計にやさしい収入保障
T&Dファイナンシャル生命という保険会社は聞きなれないかもしれませんが、太陽生命や大同生命と同じグループの保険会社です。この会社の収入保障保険は、保険料が比較的安いのが特徴です。その理由として「喫煙の有無」と「健康状態」の条件をそれぞれクリアすることで、最も安い保険料区分で加入することができるからなんです。タバコを吸わない方、健康には自信があるという方にはメリットの大きい保険と言えます。
30代におすすめの理由
3.FWD富士生命 FWD収入保障
一般的な収入保障保険は、死亡もしくは高度障害になったことにより、保険金を受け取ることができます。FWD富士生命なら介護保障もついています。仮に要介護1に認定された場合は本人が受け取ることができます。保障の幅広さが魅力の収入保障保険となっています。
この保険にも健康体割引がついていますので、喫煙の有無によっては割安な保険料での加入が叶ってさらにお得です。
30代におすすめの理由
4.アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの収入保障2
生命保険会社ごとに、サービスの質や内容も異なります。アクサダイレクトが提供している無料サービスの1つに、「健康相談サービス」というものがあります。
日本国内の名医や専門の臨床医を紹介してくれるサービスで、セカンドオピニオンを受けたいという方から非常に人気が高くなっています。大きな病気を患ったとき、「他の可能性はないのだろうか」と思うのは自然なことです。普段のささいな健康面の相談も受け付けていますので、体に違和感を感じたらぜひ利用してみましょう。
30代におすすめの理由
5.ネオファースト生命 ネオdeしゅうほ
保険は加入内容も大切ですが、保険会社の健全性や会社の規模にも着目することをおすすめします。ネオファースト生命は、国内大手生命保険会社の第一生命保険のグループ会社です。知名度があり、規模の大きな保険会社の後ろ盾があると、数年後や数十年後の受け取りの際にも安心ですよね。がんや心筋梗塞といった特定疾病に罹患した際に保険金が支払われる特約もあり、女性のニーズに応えてくれる内容が用意されています。
30代におすすめの理由
6.マニュライフ生命 こだわり収入保障(無解約返戻金型)
喫煙の有無によって保険料が左右されるのはよく聞く特典ですが、マニュライフは血圧の数値によっても保険料が変わります。最高血圧140mmHg未満、最低血圧90mmHg未満という項目をクリアし、1年以内に喫煙したことがない場合は、通常の保険料と比較して30%以上も安く加入できます。普段から健康維持に取り組んでいる方には、マニュライフ生命がおすすめです。
30代におすすめの理由
監修者「Larako」のまとめ