「リモート会議で画面に映る自分の顔が老けていた」「実年齢より年上に見られた!」ショックを受けて、本格的なアンチエイジングケアに取り組もうとしているあなた。
「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」という成分のサプリが若返りに効くと聞いて、興味を持っている人が増えています。
アメリカでは多くのセレブがすでに使用しており、国防省がNMNの研究に予算をつけるほど力を入れている成分です。また、日本の有名人もyoutubeなどで使用を公表しているので、耳にしたことがある人も多いでしょう。
出回り始めたころはとても高価で、セレブ御用達のサプリという感じだったのですが、徐々に一般人にも手の届く価格になってきたこともあって、話題になっているというわけです。
もし本当に若返りに効くなら多少値段が張ってもぜひ使ってみたいですが「効果なし」という声もあり賛否両論。
次世代の新しい成分でまだ研究途上ということもあり、いろいろなことが今まさに少しずつ分かってきている段階です。
この記事では、NMNとは何か、どういう仕組みで効くとされているのかをまずレクチャー。また、最新の研究結果から、果たして効果があるのかないのか検証します。
記事の最後では、NMNについてのよくある疑問にお答えしますので、参考にしてください。
じわじわ話題のNMNサプリについて正しい知識を取り入れ、実年齢を言ったら驚かれる快感を味わいましょう!
美容ライフスタイルアドバイザー
ヒロコ
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談を多数いただくようになったことをきっかけにフリーランスブロガーに本格転身→海外移住→3Qsにジョインし美容・ライフスタイル情報発信を担当。昨日より今日の自分をもっと好きになってもらえるとうれしいです。
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談...
Contents
NMNとは老化の根本解決が期待される若返りビタミン
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)はビタミンB3(ナイアシン)からつくられる成分。ブロッコリーやアボカドなどにも微量に含まれています。
NMNは抗老化にかかわる重要な成分であることが分かってきており、世界の研究者から注目されています。
35年にわたる研究の結果、老化のメカニズムが解明されつつあり、NMNによって老化の根本解決が期待されています。
NMNの開発当初は、アメリカや中国の富裕層が、不老長寿の成分として使用していました。近年はNMNの生産効率が高まり、超セレブでなくても手に入りやすくなっています。
日本でも、有名人がNMNを使用しているという情報や、NMNを飲んでいる人の口コミを目にすることが多くなりました。例えば、
という感じです。
これだけ見ると効果はありそうに思えるのですが、実際のところどうなのでしょうか。手に入りやすくなったとはいえまだまだ高価なNMN、宣伝や口コミに乗せられてお金を無駄にするわけにはいきません。
NMNの効果の有無を科学的根拠に基づいてご一緒に確認していきましょう。まずはNMNが老化を解決する仕組みを簡単にご説明します。
NMNが身体や細胞を若返らせる仕組み
体内には、老化や寿命を制御している「サーチュイン」という酵素があります。サーチュインには7種類ありますが、中でも重要なのは「SIRT1(サーティワン)」という種類です。
SIRT1には、
・糖や脂肪の代謝アップ
・神経細胞を守る
などの作用があり、身体機能や認知機能を若く保ってくれます。
そのSIRT1が活性化して働くには「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」という補酵素が必要です。
体内のNAD+の量は年齢とともに減ります。NAD+の量は、20代を100とすると50代では50になり、80代では10になってしまいます。
要するに、 NAD+が減ることで、老化が起こるというわけです。
ではNAD+のサプリを飲めばいいのでは?と思ったあなたはイイ線を行っています。ただし、NAD+自体は分子量が大きく、口から摂取してもうまく利用できません。そこで、 NAD+の前駆体であるNMN の出番。
NMNを摂取すると、すぐに体内でNAD+に変換されます。これが脳のコントロールセンター「視床下部」にあるSIRT1に届き、活性化したSIRT1が全身の筋肉や脂肪、臓器の機能や代謝をアップさせるというわけです。
簡単にまとめると、
という仕組みで、NMNが身体や細胞を若返らせる力を持っていることがわかりました。
では、そのNMNを身体に取り入れることで具体的にどんな効果があるのでしょうか。研究が進むにつれてさまざまな効果が明らかになってきました。ご一緒に見てみましょう。
NMNに期待されている効果
現段階でわかっていることに基づき、期待されている効果は以下の通りです。
老化防止・若返り効果
SIRT1の働きを高めたマウスでは老化が遅れ、メスでは16%、オスでは9%寿命が延びたという実験結果があります。
参考文献: ▶Brain-Specific Sirtuin Expression Delays Aging in Mice
身体機能や運動能力の改善
人間でいうと60歳くらいのマウスにNMNを投与すると、人間の20代相当のマウスのように走り回り、代謝もアップしたと報告されています。
12ヶ月間の投与により、通常の飼料のみを与えられた対照群と比べて、加齢に伴う体重増加が抑制され、インスリン感受性や血中脂質のバランスが改善され、目の機能も良くなりました。
研究室では、NMNを与えた高齢のマウスが走りすぎてランニングマシンを壊してしまったと報告されています。よく走るマウスでも通常1㎞ほどのところ、NMNを投与したマウスは3㎞も走ったということです。
参考文献:▶ LIFE SPAN (老いなき世界)P132 David A. Sinclair&Matthew D. LaPlante
髪や肌の見た目年齢を若くする
サーチュインを活性化する物質を投与した26ヶ月齢(人間の70歳代後半くらい)のマウス:上 と、普通の26ヶ月齢のマウス:下。姿勢や毛並みが全然違うのがわかります。
また、NMNは骨格筋の機能をアップさせますが、表情筋も骨格筋の一つなので、顔のたるみの改善=見た目の若返りが期待されます。
糖尿病の予防・改善
高脂肪食または加齢による2型糖尿病モデルマウスにNMNを10日間投与すると、血糖値がほぼ正常になり、インスリン感受性やインスリン分泌能力が改善されることが実証されました。
アルツハイマー病、認知機能の改善
アルツハイマー病のマウスにNMNを飲ませると、記憶力や認知機能が回復し、脳の海馬の細胞死が抑えられるという研究結果が出ています。
参考文献:▶ Nicotinamide mononucleotide inhibits JNK activation to reverse Alzheimer disease
ここまででわかるように、NMNの投与や、SIRT1が活性化されることで、さまざまな老化防止・若返り効果が期待できることが、マウスを使った研究で検証されています。
このほかにも、ガンの予防や妊娠・発育にも良い影響がある可能性があり、研究が進められています。
しかし、NMNについて調べていると「NMNには効果なし!」という意見も少なからず目にするのが事実です。なぜ効果なしと言われるのか、実際のところどうなのか、少し調べてみましょう。
「効果なし」には根拠あり?エビデンスを深堀り
NMNには「効果なし」という意見には、
という根拠があります。これは確かにその通りで、マウスで確認された効果がそのまま人間に当てはまらないことも多いです。
2020年の初めに、慶応大学で人間へのNMN投与実験が行われました。これによって証明されたのは、
10人の健康な成人男性に100mg、250mg、500mgのNMNを1回経口投与し有害な効果を観察できなかった。
つまり、健康な人間へのNMN投与の安全性が確認されたということです。
ことに注目してください。引き続きNMNには「効果なし」とする意見が多いのはこのため。
ただし、この実験の有意義なところは
というところ。実際、この時を皮切りに世界中でたくさんの人間を対象としたNMNの実験が行われるようになりました。
中でも代表的なのは、ワシントン大学で行われた25人の糖尿病予備軍の女性を対象にした実験(参考文献:▶ Nicotinamide mononucleotide increases muscle insulin sensitivity in prediabetic women )。
被験者を2つのグループに分け、NMNまたはプラセボ(偽薬)を1日250mg 10週間投与したところ、骨格筋においてインスリン感受性が25%上がったとの結果が出ました。
インスリン感受性25%アップというのは、10%体重を落としたとき、または「トログリタゾン」という糖尿病治療薬を12週間投与したときに生じる改善に匹敵するとのこと。
また、NMNで筋肉の再構築機能が高まることが、人間を対象とした実験をしてみて初めてわかりました。
ただし、骨格筋以外の場所でのインスリン感受性や体重減少など、マウスの実験で見られたいくつかの効果は見られなかったとのこと。マウスと人間は違う、ということを再確認する形ともなりました。
とはいえ、SIRT1を活性化させるNAD+の濃度は、NMNを摂取したグループで有意に上昇することが証明されました。特に筋肉の中でNAD+が大量に消費されたことも確認されています。
ワシントン大学では、人間では特に骨格筋にのみ反応する理由や、男性と女性の反応の違いなど、さらなる事実を明らかにするべく第二次臨床試験が進行中。
この第二次臨床試験では、糖尿病予備軍で肥満の男女56人に、1日300㎎のNMNまたはプラセボを16週間投与する計画とのこと。
アメリカ国防省がこの臨床試験に予算をつけており、国がNMNに大きな期待を寄せていることが見て取れます。
ここ2~3年、世界中で人間を対象としたNMNの研究・試験が他にもたくさん行われてきました。いくつかの例を以下に挙げます。
・NMN摂取は、高齢者の下肢機能を改善し、眠気や倦怠感を改善する(▶筑波大学 2022年)
・NMN摂取は、高齢男性の筋肉機能を改善し、老化に関連する筋肉機能障害を予防するのに役立つ(▶東京大学 2022年)
・中高年の成人においてNMN摂取は、血液中のNAD+濃度を有意に上昇させ、QOL(生活の質)の指標であるSF36の値を上げ、インスリン感受性を改善する(▶ Effepharm (Shanghai) Co. Ltd. 2022年)
このように、2020年にNMN摂取が人体に安全だと判明してからは、数多くの人体への試験が行われており、これからも行われていきます。
確かに、今得られている結果だけでは、NMNに効果があると「言い切る」ことはまだできません。しかし「効果なし」と言い切ることはもっとできないでしょう。
現時点でも、老化防止にかなりの効果が期待できることは十分に明らかです。
また、これからメカニズムの解明が進むにつれて最適の量や飲み方が分かってくると思われます。
すべてわかってから飲み始めたいという人も、一日も早く飲み始めて細かいところはその都度調整していきたいという人もいるでしょう。それはどちらも間違っていないし、自由です。
気になる方は、今回ご紹介した文献をご自身でチェックしてみて、納得のいくチョイスをしてくださいね。
それでは続いて、NMNサプリについてよく尋ねられる質問にお答えします。
NMNサプリについてのよくある質問
NMNサプリについてよく尋ねられる、6つの質問にお答えしていきます。
NMNは1日どれくらい摂ればよい?
NMNは今研究が進んでいる段階なので、1日の目安量にも諸説あります。
人間を対象とした実験の先駆けとなったワシントン大学の実験で1日250mg投与していたため、以後の実験でも似たような量がスタンダードとなっているようです。
また、最初の慶応大学の実験では500mgまでの安全性が確認されています(その後600mgや1200mgを投与する研究もありましたが、体育大学で運動能力を測る研究で、安全性にスポットは当たっていません)。
NMNは経口で多く摂りすぎても必要以上は吸収されないという特性があり、実験では250mgで十分に効果が認められていることから、500mgも摂取する意味はないように思われます。
もちろん今後さらなる研究で最適の量が明らかにされていくのですが、現時点では150~300mgがとりあえずの目安とされています。
NMNには副作用ある?
NMN自体の安全性については、健康な成人に有害な作用がないことが実験で確認されています。ただし、以下の点に注意を。
・ガンの種類によっては、NAD+が増えると進行しやすいものがあります。NMNはガンの予防には有利に働きますが、すでにガンのある場合は主治医の指示を仰ぎましょう。
・糖尿病の薬や抗凝固剤を使用している場合は、主治医の指示を仰ぎましょう。
また、サプリメントの品質によっては不純物による副作用が出る場合があります。余分な増量剤や添加物が入っていない、純度の高いもの(NMN99%以上など)を選ぶとよいです。
NMNは何歳から摂ればよい?
マウスの実験では、若いときには投与群と非投与群の差はそれほどなく、人間でいうと40代くらいから差が出てきたようです。人間の場合も通常40代くらいからを目安に考えるとよいでしょう。
とはいえ、人によって生活環境が違うため、身体年齢も違ってきます。食事・運動・睡眠の習慣、ストレスや喫煙などの理由で、30代でもNAD+が減って老化が進んでいる人もいるでしょう。
SIRT1を活性化する実験でも、早く始めたマウスほど寿命の延び幅が大きいという結果が出ているとのこと(参考: LIFE-SPAN 老いなき世界 P179 David A. Sinclair&Matthew D. LaPlante)。
心当たりのある人は、30代で始めてもよさそうです。
一つはっきりしているのは、NMNを始めるのに遅すぎることはないということ。人間でいうと70代後半に当たるようなマウスでも、NMNを与えるとはっきりとした効果が見られます。
これまでのアンチエイジングは「老化を自覚してからでは手遅れ」という感じがありましたが、NMNは「ショックを受けてからでも十分間に合う」点で画期的。あきらめず、早めに検討しましょう。
NMNにはどんな摂り方がある?
NMNにはサプリメントのほか、点滴や点鼻、美容液やパックなどの製品があります。また、ブロッコリーやトマト、アボカドや枝豆などの食品にも微量ながら含まれています。
中でもサプリメントとして口から摂取するのが一番おすすめ。その理由は、
・点滴や点鼻は医師の処方が必要である
・点滴や点鼻は安全性についてまだ十分な試験が行われていない
・経口摂取なら必要な分だけ吸収されるが、点滴はNAD+が増えすぎることによる運動神経麻痺を引き起こす可能性がある
というように、サプリとして口から飲むのが手軽で安心であることです。
ちなみに、美容液やパックについては、皮膚の色素沈着や炎症を抑える効果があることは実際の使用を通してわかっています。
しかし、経皮吸収による全身的な効果については、研究がまだきちんとされておらず、現状で期待することはできません。
NMNサプリの価格の相場は?
NMNサプリの価格には大きく幅があり、1ヶ月当たり十万円を超えるものから数千円のものまでさまざま。価格の違いは、成分の濃度や配合量、製法や原産国などの要素によります。
安価なものはニセモノや不純物の多い低品質の製品である可能性があるため要注意。ひとつの目安として、1mg当たり1~3円が適正価格と言われています。
これだと、
・1日300mgなら1ヶ月9,000~27,000円
となります。
当初に比べて手に入りやすくなったとはいえ、きちんとしたものを求めればある程度のコストはかかりますね。
これからもNMNの製造技術が向上し供給が安定していけば、値段の方はさらに落ち着いてくる見込みがありますので、楽しみにしましょう。
安全で効果を期待できるNMNサプリの選び方は?
NMNの品質や純度は外見からはわかりません。まず、純度や配合量の情報をきちんと開示しているものを選びましょう。
開示された情報の中で注目したいのは、以下のポイント。
・1カプセル当たりの配合量が明記されている
・β-NMNである(α-NMNではなく)
・監修している医師の名前や所属がはっきりしている
・国産でGMP認定工場で製造している
少しでも不審に思うことがあれば、思い切って製造元に問い合わせてみましょう。きちんとした会社のきちんとした製品なら、必要な情報を開示してくれるはずです。
おすすめのNMNサプリ
アマゾンで手軽に手に入るものの中から、安心して試せるものをピックアップしました。
Dr.Fromula NMN ニコチンアミドモノヌクレオチド|株式会社アークワイズ
初めてNMNを試す方におすすめなのが「Dr.Fromula」のNMNサプリ。β‐NMNが1日300mg摂れます。
監修医師の顔写真、名前、所属がはっきりしており安心。NMNの純度もより正確な手法を使って計測するこだわりです。
余分な添加物は極力使用せず、NMN以外の成分については、どんな成分か販売ページに説明が載せられており好感が持てます。
NMN1mg当たり約2円で、私は良心的だと感じました。しっかりしたものを試してみたい方にピッタリ。
価格(税込) | 18,280円 |
内容量 | 9000mg(150mg×60)粒 |
原材料 | β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(国内製造)、 デキストリン/ HPMC、ステアリン酸カルシウム |
販売元 | 株式会社アークワイズ |
監修 | 北青山D.CLINIC院長/ 医療法人社団DAP理事長 阿保義久医師 |
製造国 | 日本 |
Dr.Watanabe NMN 18000㎎ サプリメント|智美健康株式会社
医学博士と薬科大学、ダブルの監修で高品質をうたうのが「Dr.Watanabe NMN 18000㎎ サプリメント」。
純度99.9%のNMNを使用し、腸まで届く特許のカプセルで吸収をアップ。もちろん、国内のGMP認定工場で製造しています。
1カプセル200mgで、1日3粒=600mg飲むように設定されていますが、自分で1日量を1粒=200mgや2粒=400mgに調整できるのも便利です。
1mg当たり3円でお値段は張りますが、信頼感を重視する方はぜひ検討してみましょう。
価格(税込) | 53,900円 |
内容量 | 18000mg(200mgx90粒) |
原材料 | ニコチンアミドモノヌクレチオド、デンプン/ 結晶セルロース、HPMC、ステアリン酸カルシウム、 着色料(二酸化チタン)、微粒二酸化ケイ素 |
販売元 | 智美健康株式会社 |
監修 | 横浜薬科大学 総合健康メディカルセンター/ 智美健康株式会社 医学博士 渡邊泰雄医師 |
製造国 | 日本 |
NMNサプリには効果が期待できる!
NMNサプリには老化の根本解決が期待されています。「効果なし」とする意見は、NMNの効果を証明する研究がほとんどマウスによるものだということから来ていました。
しかし2021年以降、人間を対象とした臨床試験が世界中で行われるようになっています。
まだ研究途上ではありますが、現時点で得られている結果を見ると、 NMNは人間にも効果があるという期待を持つのには十分。
30代から美容や健康に影を落とし始める加齢のサインにおびえる時代はもう終わり。最新の知識に納得したら、NMNを応用するという選択肢を思い切って試してみるのはいかがですか。