30代の妊娠・出産を考えている女性にとっては、出産後も若々しいママでいたいという願いは切実。話題の抗老化・若返りサプリNMNが気になるけど、妊娠中も大丈夫なの？というご質問にこの記事ではお答えします。
また、一日も早く赤ちゃんを迎えたいという思いを、NMNが後押ししてくれる可能性についても解説。
記事の最後では、若いママですねと言われるために、妊娠中に補給しておきたい他の成分についても知ることができます。
妊娠・妊活とNMNサプリの関係について最新の知識を得て、納得のいくチョイスをしましょう！今からしっかり準備すれば、お子さんにとって自慢のキレイなママにきっとなれますよ。
美容ライフスタイルアドバイザー
ヒロコ
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談を多数いただくようになったことをきっかけにフリーランスブロガーに本格転身→海外移住→3Qsにジョインし美容・ライフスタイル情報発信を担当。昨日より今日の自分をもっと好きになってもらえるとうれしいです。
医療機関に8年間勤務→長年の敏感肌を克服した経験からスキンケアのコツを美容系メディアで情報発信→読者の方から肌悩みの相談...
Contents
NMNサプリは妊娠中もOK？
まず、NMNという成分は人体にどう影響するのかを理解し、NMNサプリを妊娠中に飲んでも良いかどうか考えてみましょう。
NMNサプリの人体への影響は？
NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）とは、ビタミンB3（ナイアシン）からつくられる成分で、ブロッコリーやアボカドなどにも微量に含まれています。
NMNが体内に入ると、抗老化の重要物質であるNAD+に変化し、これが老化や寿命を制御している「サーチュイン」という酵素を活性化することが分かってきました。
マウスの実験ではNMNに明らかな抗老化作用があることが分かっていましたが、人間を対象とした臨床試験が行われるようになったのは比較的最近のこと。
その皮切りとなったのが、2020年の初めに慶応大学で行われた人間へのNMN投与実験です。この実験では
しました。
そこから2～3年の間に、世界各地で人間を対象にした臨床試験が相次いで行われ、NMNの抗老化作用が明らかになってきています。
ただし、妊娠中の女性を対象にした臨床試験はいまだ行われていません。
妊娠中のNMNサプリ使用は慎重に
結論から言うと、NMNサプリの妊娠中の使用には慎重になるべきです。まずはかかりつけの医師に相談してみることをおすすめします。
その理由は、妊娠中の女性に対するNMNサプリの影響について十分な研究がまだ行われていないから。
先に述べたように、健康な成人に害がないことはわかっていますが、妊婦や胎児への影響についてはまだ未知数です。
妊娠中は薬だけでなく、サプリについても慎重になる必要があります。例えばビタミンAは欠かせない栄養素ですが、妊娠初期に摂りすぎると胎児の形成異常のリスクが高まります。
NMNもビタミンのようなものだからと軽く考えて、適当に飲むことはできません。母体や胎児への影響の有無や、使用する場合の上限量・至適量などが明らかになるまでは、慎重を期すのが賢明でしょう。
妊娠中の安易なNMNサプリ使用は控えたい一方、妊活の分野ではNMNに大きな期待が集まっています。次に、NMNでの妊娠力アップについて見てみましょう。
NMNサプリは妊活に利用されている
NMNの妊活パワーについては、すでにマウスで証明されています。まずはマウスでの結果を見てみましょう。それから、人間への応用について考えます。
NMNでマウスの妊娠力がアップ
メスのマウスにNMNを投与すると、妊娠力がアップすることが研究でわかっています。
NMNは体内に入るとNAD+という物質に変わります。NAD+は体内でも作られますが、年齢とともに減り、50代では20代の半分になってしまいます。NAD+の減少が、さまざまな老化現象とともに、妊娠力の低下も引き起こしています。
そこでNMNの投与によって体内のNAD+の量を若いときのように回復させると、
・排卵が促進される
・卵子の受精力が上がる
・受精卵の発育が促進される
ことが、マウスの実験で明らかになりました。
上記の写真は、若いマウス、高齢のマウス、NMNを与えた高齢のマウスの卵子を比較した実験です。
いずれの画像でも、 NMN aged（NMNを与えた高齢マウス）の卵子が、Young（若いマウス）の卵子と似た良い状態になっているのがわかります。
さらに、それぞれの卵子の質を比較したグラフがこちら。
グラフBは排卵した卵母細胞（卵子のもとになる細胞）の数、グラフCは細胞死した卵母細胞の割合です。Aged（高齢マウス）では、排卵数が少ないうえに半分近く細胞死してしまうことがわかります。
NMNを与えた高齢マウスでは、若いマウスには及ばないものの、高齢マウスの2倍ほどの排卵が見られました。そのうち細胞死してしまう割合も非常に少ないです。
グラフEは受精率、グラフFは胚盤胞（細胞分裂が進んで着床の準備ができた、胎児のもと）まで成長する割合を示しています。
NMNを与えた高齢マウスでは、与えていない高齢マウスに比べて、受精率は約2倍、胚盤胞形成率は約1.5倍になることが見て取れます。
さらなる研究に期待
すでに見たように、マウスにおいては卵子の質や排卵、受精率や受精後の発育をNMNがアップさせることが明らかになりました。そのため、人間の妊活にも大きくプラスになることが期待されています。
人間を対象にした臨床試験のデータはまだないため、正式に効果あり！とは言えません。とはいえ、現時点では体験談レベルですが、興味深い報告が複数あります。
例えば、NMNの権威であるハーバード大学のシンクレア教授の著書によれば、閉経していたのに、NMNを摂ることで月経が再開した女性がいるとのこと。
※参考：▶ 「LIFE SPAN（ライフスパン）老いなき世界」デビッド・A・シンクレア, マシュー・D・ラプラント
また、日本で販売されているNMNサプリを飲んだ人の中にも、同じような体験をした人がいるようです。
飲んだ翌日から体調が良くなりました。髪と肌の艶も出てきて嬉しいです。あと個人差があると思いますが更年期で閉経に向かっていたのですが生理が再開しました。
出典：楽天
NMNに女性の身体を若返らせる作用があることは、十分に期待できそうですね。
特に現在の不妊治療では、卵子の質が悪い女性は、質の良い卵子を提供してもらうしかないのが現状。NMNによって、自分の卵子の質を良くして赤ちゃんを産むことができる可能性がひらけてきたと言えます。
ただし、マウスの実験で分かったことですが、NMNは量が多ければ多いほど妊娠力が高くなるわけではないようです。
ある実験でマウスに、0.5g/Lまたは2.0g/Lの2種類の濃度のNMNを与えたところ、下のような結果になりました。
妊娠力がグッと上がったのは0.5g/LのNMNを飲んでいるマウス（赤）で、その4倍の濃度の2.0g/L（緑）では何も飲んでいないマウス（青）とあまり変わらないことがわかりました。
つまり、量が多すぎても効果なしということです。
これを踏まえて、人間における最適量がまだわからない今、やみくもにNMNを服用しても意味がないかもしれない（逆効果になる可能性も）というリスクがあります。
今後さらなる研究が進み、最適量が明らかになればぜひ使ってみたいという人は多いでしょう。
一方、人体に対する安全性はある程度証明されているので、最大効果を得られる量がわからなくてもとりあえず試したいという人もいます。きちんと結論が出るまで待っていたら本当におばあさんになってしまうというわけです。
実際に、妊活にフォーカスしたNMNサプリや、NMNやその仲間の成分を不妊治療に取り入れるクリニックなどはすでにあり、試してみる人は増えています。
待つか試すかは、個人の感覚次第です。メリットとデメリットを比較して、自分の納得がいく選択をしましょう。
試したい場合はかかりつけの医師に相談してください。商品によって添加されている副成分が違うため、できれば飲もうと思っている具体的な商品名を提示して相談するのがベストです。
試してみるなら信頼できるNMNサプリを選ぼう
考えた結果、NMNを妊活に取り入れてみようと思う場合は、信頼できるNMNサプリを選ぶことが大切です。
NMN自体は健康に害がないことが分かっていますが、粗悪なNMNサプリに含まれる不純物が副作用を引き起こすことがあります。
安心して飲み続けるためには、不純物がなるべく少なくNMNの純度が高いものを選ぶのがポイント。ニセモノや粗悪品を避けるため、次のようなポイントに注意して選ぶとよいです。
①第三者機関の分析証明書があり純度99％以上
自社での調査ではなく「食品分析センター」や「日本食品検査」など国内の第三者機関が発行した純度分析結果表が公開されているものが良いです。見当たらない場合は、メーカーに問い合わせてみましょう。
②化学合成法ではなく酵母発酵法で作られている
酵母発酵法は化学薬品を使わないため、不純物の混入や薬品残留の心配が少なくより安全です。また構造が天然のNMNに近く、体内で吸収されやすいのも特徴です。
③国内のGMP認定工場で作られている
GMP認定工場とは、健康食品の製造において、適正な製造管理と品質管理を行っていることを第三者機関が認めた工場。人為的ミスや汚染による不純物の混入が起こりにくく安心です。
④監修医師の実名や所属先が明らか
「医師監修」と銘打っていても、名前が載っていなかったり、あっても実在しない医師であったりすることも。顔写真や所属先など医師の情報がはっきり記載されているものが安心です。
⑤適正な価格（安すぎない）
異常に安価なものは品質に問題がある可能性が高いです。昨今はNMNの価格が変動していますが、適正価格の一つの目安として1mg当たり1～3円のものから選ぶとよいでしょう。
NMNを摂取してめでたく妊娠した人も、おそらく妊娠中はNMNを控える場合がほとんどでしょう。妊娠中も若さとキレイを保つために安全に摂れる成分はあるでしょうか？続く部分で見てみましょう。
若いママと言われるために妊娠中に摂りたい成分
妊娠中NMNをお休みするとしても、若さのキープは気になるところ。出産後も子育て中も、若くてキレイなお母さんでいられるよう、妊娠中でも摂れる元気・美容成分をご紹介します。
多くの場合、妊婦さんのサプリというと「赤ちゃんの成長のため」の成分がほとんどです。それはもちろん大切なのですが、ここではあえてママの美しさと若さのために飲む視点で成分をピックアップします。
鉄
鉄が不足すると血行や代謝が悪くなるため、顔色や肌ツヤが悪くなり、シミも増えます。コラーゲンを作るのに鉄が必要なので、鉄が足りないとシワも増えます。髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりもします。
鉄が足りないと貧血になるため、朝起きられない、やる気が出ないといった気持ちの老化にもつながります。
この鉄は、赤ちゃんの体を作るために大量に消費されます。妊娠前の必要量は1日10.5mgですが、妊娠初期は13mg、妊娠中期～後期は20mgと約2倍に。赤ちゃんだけでなくママにも必要な鉄がいきわたるよう、しっかり補いましょう。
カルシウム
あまり知られていませんが、カルシウムは角質を作る最小単位をしっかり繋ぎ、キメが綺麗にそろったバリア機能の高い肌を作ってくれます。
妊娠中は赤ちゃんの体を作るのにたくさんのカルシウムが必要です。カルシウムの摂取が少ないと、身体はママの骨を溶かして使い始めます。その結果、ママの骨がスカスカになり、産後骨折しやすくなる場合があります。
エクササイズやピラティスで体形を戻していきたい産後に、骨折は避けたいですね。
成人女性のカルシウム摂取推奨量は、妊娠の有無にかかわらず650mgですが、たいていの日本人女性は不足しています。妊娠中は特にしっかり摂ることを心がけましょう。
ビタミンC
ビタミンCはトラブルのない透明感のある肌に不可欠な成分です。妊娠中は、ホルモンバランスの変化によるストレスで、ビタミンCが消費されてしまいがち。
また、妊娠初期はホルモンの関係でシミができやすいため、紫外線対策とともにビタミンCをしっかり補給して肌を守りましょう。
妊娠中は、妊娠していない時の1.1倍にあたる110mgの摂取が勧められています。
乳酸菌
妊娠中は便秘に悩まされがち。便秘薬やハーブ関係も使いにくいですね。ポッコリお腹や肌荒れは、キレイなプレママへの道を閉ざしてしまいます。
乳酸菌を積極的に摂ることで、腸内細菌のバランスが改善。腸内細菌を整えると、便通だけでなく免疫力のアップや太りにくい体質への改善にもつながります。
もう一つ気を付けたいのが、女性ホルモンに似た働きをする成分。有名なものでは大豆イソフラボンやレッドクローバー、プエラリアなど。妊娠中のデリケートなホルモンバランスを崩さないよう、避けるのが賢明です。
ハーブの類にも注意が必要です。美容や便秘対策に、天然成分なので良いだろうと思うかもしれませんが、ものによっては早産につながりかねません。アロエやモリンガ、ダミアナやサラシアなどについて、リスクが報告されています。
妊娠にまつわるNMNサプリの正しい知識でキレイなママに！
妊娠中のNMNサプリの服用については、まだ研究が十分なされておらず、積極的におすすめはできません。さらなる研究の報告が待たれます。
NMNの妊活への応用は、マウスの実験で効果が出ているため、大変期待されています。ただし、人間での臨床試験が行われていないため、人間での効果や最適量についての詳しい情報はまだありません。
妊娠中とは違い、妊活中は一人の健康な成人ですので、安全性という意味では問題ないと考えて試してみる人もいます。一方、研究がもっと進むのを待ちたいと思う人もいるでしょう。
最新の抗老化成分ということで、まだはっきりしないことや自分で考えなければいけないことが多いです。大切なのは、知識をつけて納得のいく決定をすること。
科学の力を大いに借りて、将来ママ友の中でもひときわ目立つキレイなママになりましょう！
